執筆時点(2025年冬)の3年前の物販イベント、爆裂祭で1000円くらいで手に入れたCOB ライトです。
購入時はただ単にコンパクトで便利そうないいライトだなと思って購入したモノですが最近になって改めて調べると流行りのCOBライトであることが始めてわかりました。
モデルとしてはAmazonで販売されている実勢価格500円前後のモノと全く同じモノです。
1000円で購入したモノが300円台で販売されているのは弱冠、悔しいのですが普段からかなり便利なアイテムなのでレビューして行きます。
COBライトとは?
実際の製品をチェックする前にCOBライトについて少し解説します。
COBとはChiip On Boardライトの略で読んで字の如く多数のLEDを一つの基板に搭載する技術です。
一般的にLEDと呼ばれるものは以下の図のような構成になります。

おおよそ砲弾型、表層型の2種類に大別されますが基本的に1個のLEDで構成されています。
このタイプのLEDで光量を上げようとするとLEDユニット素子の改良かLED事態を巨大化させる必要があります。一般的に巨大化させることが多いのですが大きくすればするほど問題になる熱も増加し故障などの様々な問題が発生します(価格も上がる)。
LEDユニットの巨大化、高コスト化、多くの熱発生問題の解決策の一つがChip On Borad LEDです(略してCOBライト)。
Chip On Board LEDとは以下の図のように光を反射するシート土台に多数のLEDを一つの基板に搭載する技術です。基本的にはアルミシートに複数のLEDを直接、配置します。

これにより大きな光量を得るのに高価で熱をたくさん出す大きなLEDは必要なく量産効果で安くなった汎用性のあるLEDでも明るいライトが作れます。
低コストで光量も大きく低発熱の長寿命のCOBですが小型LEDの組み合わせなので砲弾型のように遠くまで強い光で照らすことには向いていません。なので近場を照らす照明ライトのような使い方に向いていると思います(何にでも向き不向きがある)。
このCOBができるようになった理由としては複数のLEDに均等に電気を配れる制御技術に寄ると思います。
このような技術革新は電子電機分野以外でもよく見られることで私の得意な機械分野だとロケットエンジンが代表な気がします。
アメリカの代表的なロケットであるアポロ計画のサターンVのロケットエンジンは高性能で巨大なエンジンを少数束ねて使っていました(F-1エンジンを5基、スペースシャトルも似た思想)。

一方でソ連のソユーズは小型のロケットを複数束ねて使っていました(RD-107を16基)。

月への競争のような大出力一発勝負ではソ連は負けましたが汎用的な宇宙への輸送手段としてはスペースシャトルに買って市場を独占しているのはご存じだと思います(信頼性とコスト)。
話がかなり飛びましたがこのような技術の思想は最先端のロケットと今回、紹介するような安くて身近なライトでも同じなのが興味深いと思います。
・レッドムーンショック
宇宙開発幕開けの米ソのロケット開発のノンフィクションです。ロケットエンジン開発の思想の違いがかなり詳細に描写されています。興味がある方は是非!
開封
まずは外箱を見ていきます。


箱の横面には製品の特長が記載されています。


製造国は中国です。各機能は後に詳しく見ていきましょう。
開封して中身を確認していきます。

・本体
・USB type-C ケーブル
・梱包材
・説明書
充電ケーブルが付属しているのはかなりありがたいです。
説明書を見ていくと中国語と英語表記のみで日本語はないので基本的な使い方はこのページで説明していきます。


外観
まずは本体正面を見ていきましょう。

かなりコンパクトな本体です。本体正面から見られる機能はカラビナ、栓抜き、COBライトユニットです。COBライトユニットはLEDが30個も搭載されています。
本体裏側を見て行きましょう。

裏側にはマグネットとライトを置くためのスタンドが見えます。
本体左右面を見て行きましょう。


左側にスイッチ、右側は充電ポートが設置されています。
最後に本体下側を見て行きます。

下側には一般的なカメラ3脚取付用のU1/4のねじ穴が設置されています。
サイズ感としては手のひらに乗せると次の写真のような感じになります。

詳細寸法は以下の写真のようになります。


重量です。

機能
実際に機能を見て行きます。
まずは電源ボタンを見て行きます。

ボタンはゴム製で押し心地としては軽みはなく押しやすい部類のスイッチではありませんが簡単に押せると誤作動等の問題があるので好みの問題な気がします。
ボタンのモードは以下のようなやや複雑なパターンになっています。
1回押し→光量60%モード
2回押し→光量30%モード
3回押し→ストロボモード
4回押→電源OFF
100%モードはボタン長押しです(ボタンを再度押すとOFF)。
一番、多く使われるだろう100%モードがボタン長押しなのがかなり謎です。
実際に光らせた様子は別項目で紹介します。
次に充電ポートを見て行きます。


充電ポートはしっかりしたゴムのカバーで覆われているので防水しようかと思いきやパッケージ、説明書などに防水の記載はありません。なのでちょっとした飛水や埃などの侵入による故障を防ぐ程度と考えるのが無難かもしれません。
充電はポートにUSB type-Cを差せば充電できます(付属ケーブル有り)。充電中はランプが赤く光り、完了すれば青に変わります。


バッテリーは説明書に寄ると500mAhのリチウムポリマーバッテリーです。おそらく1セルの3.7Vだと思います。
販売サイトの説明によると連続稼働時間は光量100%で1時間、光量60%モードで1時間40分、光量30%で3時間になっていますがおそらくバッテリーが完全放電までの時間だと思われます。
リチウムポリマーバッテリーは完全放電すると壊れてしまうので限界まで使うことをお勧めしません(通常、容量の20~30%は残しておかないと壊れる)。
本来、リチウムポリマー電池を扱う電子機器は電圧を常時監視し異常電圧(高すぎる、低すぎる)を検知したら作動をストップする制御をするのですが実際に使っていてそのような機能はなさそうです(値段的にもなさそう)。
なのでお勧めする連続稼働時間と使い方は以下のようになります。
・100%光量モード・・・45分
・60%光量モード・・・1時間15分
・30%光量モード・・・2時間15分
・稼働時間がわからない場合はライトの光が弱弱しくなったら使うのをやめた方が良い
・満充電のオートカットは無さそうなので充電完了状態でUSBを挿しっぱなしにするのは止めた方が良い。
実際に製品レビューを見ると電池関連のトラブルがあるので気を付けると長持ちすると思います。
次にカラビナ、栓抜き部分を見て行きます。


カラビナ自体が強度がある取付機構なのでかなり便利です。本体が軽量なこともあってカラビナでバックやリュックなどからチャックの取っ手やズボンのベルト通しに付けて使ってます。
ただし本体、カラビナ部分がアルミの鋳物、ピンの部分が弱そうなので無理に強く引っ張たりするのは止めた方が良いと思います。
栓抜き部分に関してはアルミの鋳物、形状に尖りがないことからほとんど実用性はないと思います。最も今時、栓抜きを使うシーンがあまり思い浮かびません。

スタンド部分を見て行きます。
スタンドは全部で3段階の角度が選べます。



絶妙に使いやすい角度で使いやすいです。難点は本体が軽量、コンパクトなのですぐに転倒します。
磁石を見て行きましょう。

磁石に関してはあまり磁力は強くないのですが本体を支える磁力があるので必要十分かと思います。最も磁力が強すぎると近くの精密電子機器に悪影響があるかもしれないので丁度よい磁力かもしれません(私が気にしすぎ?)。
最後に3脚を実際に取り付けて見ました。

ネジ部が樹脂製、掛かり代が5mmくらいなので強度的にかなり不安があります。ただ単に乗せて使う分には本体が軽量なことから問題はありませんが誤って倒したりするとネジ部が壊れそうな気がします。
実際に光らせる
ここからは実際に光らせて行きます。
光る前の条件としては下の写真のようにほとんど真っ暗で何も見えない状態です。ライトと対象物の距離はおおよそ2mほど離れて各モードを比較して行きます。

1,ボタン長押し、光量100%(推奨連続稼働時間45分)

かなり明るく細かい文字なども普通に読めるレベルです。部屋の照明に比較すると暗いですが6畳くらいの部屋なら生活できそうな明るさです。
2,ボタン1回押し、光量60%モード(推奨連続稼働時間1時間15分)

そこそこの明るさで細かい文字も読めるレベルです。4畳くらいの部屋ならなんとか生活できるくらいのレベルに感じます。
3,ボタン2回押し、光量30%モード(推奨連続稼働時間2時間15分)

流石に少し暗いなと感じるレベルです。細かい文字を読むのにキツさを感じるレベルです。
4,ボタン3回押し、光量ストロボモード
画像では描写できないので動画になります。チカチカするので見る際には注意してください。
かなり強力なストロボで見てると気持ち悪くなってきます。このライトに限ったことではありませんが私はストロボモードの使い道がよくわかりません。
まとめと類似品
これでもかって言うほど機能盛りだくさんのライトで使わない機能もいくつかありますがライトとしての完成度がかなり高く重宝しています。この完成度で安いのが素晴らしいです。
特に充電式なのがありがたいです。私は貧乏性なので本格的なライトだと使う電池が高価なCR123のため使い惜しみをするのですが充電式なので気にせずガンガン使っています。
私がよく使うシチュエーションはモノを捜すときの光源として頻繁に使用していてかなり便利です。明るい環境でも光量が強いのではっきりと暗所を照らしてくれるので非常に助かっています。
さらにアウトドアで陽が落ちて来た時間帯での片付けの光源として大活躍しています。特に外ではコンパクトでカラビナ付きなのでズボンのベルトや上着のチャックに付けておくと直ぐに使えるのでかなり便利です(本格的なライトを持ってても出すのが面倒)。
欠点としてはバッテリーの管理機能を本体が持っていないことと本格的な野外での光源とするにはパワー、持続性が足りないことだと思います(ランタンのような使い方)。
この辺りは私の購入価格が1000円、執筆時点での実勢価格が500円~と考えると十分な気がします。
ここからは類似品を紹介しながらそれぞれのポイントをチェックしていきます。
・Amazon COBライト
紹介したものと同じ製品です。ただしロットによって仕様に差がありカラビナ部分がワイヤータイプの場合もあるようです。さまざまな販売代理店、通販サイトなどで多様に販売されていますが500円前後の商品はほとんどこれだと思います。
・ムサシ COBライト
完全に上位互換です。明るさや機能は同じですが日本製だけあってしっかりしているようです。特にバッテリー品質や充放電チェック機能が搭載されているのでバッテリーの持ち、寿命が格段に良く管理が楽なので安心して使えるはずです(PL法で必ず搭載する必要あり)。その代わり紹介した製品より値段は高いです。
・オーム電機 COBライト
中国製ですが日本の企業が正式に販売しているので品質のチェック体制は高いと思います。中身は紹介したものとほぼ同じだと思いますが買った時の当たりはずれは激減すると思います。
個人的にお勧めしないタイプはカラビナ部分がワイヤータイプだったり本体が樹脂製なモノです。元々、アルミ製で十分に軽量なので耐久性を削ってより軽くすることのメリットがあまり浮かびません。よほど価格が安くなれば話は別ですが元々が安いのでデメリットばかりが目立つような気がします。
以上、COBライトレビューでした。
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