みなさんは、バイオマス発電というものをご存じでしょうか?
経済産業省・環境省が強力に推し進めている再生可能エネルギーの一つで、太陽光・風力・水力・地熱に続く代表的なエネルギーの一つになっています。
本記事では、筆者が個人的に以前から環境保護(エコ)の観点、そして社会性の観点から、その有用性について非常に疑問を抱いていたバイオマス発電について、詳しく解説していきたいと思います。
※筆者はバイオマス発電の利害関係者でも反対派のどちらでもありません、熱心な環境対策支持者でもなく普通の人です。
再生可能エネルギーとは?
バイオマス発電を解説する前に、再生可能エネルギーについて簡単におさらいしましょう。
再生可能エネルギーとは、太陽光、風、地熱、水の流れ、植物など、自然界で継続的に補給されるエネルギー源を使った発電(や熱利用)の総称です。化石燃料(石炭・石油・天然ガス)と違い、資源が枯渇しにくいのが特徴とされています。

ただし「再生可能」という言葉は、「エネルギーが再生する」という意味ではありません。自然の循環の範囲で供給され続ける入力源(太陽、風、水循環、地熱、動植物の生物循環)を利用するのでエネルギーとして使っても再生するという意味のようです。
・燃料費の変動を受けにくい:太陽光・風力は特に燃料が不要とされている
・運転時のCO2排出が小さい:ライフサイクル全体では大きく差が出る可能性がある
・国内資源として扱える面がある:エネルギー安全保障に寄与する可能性がある
これらのメリットから、日本政府はCO₂排出削減とエネルギー安全保障の観点に強く着目し再生可能エネルギーの普及を強力に推し進めています(2025年実績で4000億円規模の予算=税金、国庫債務負担行為も含めると1兆円超)。

再生可能エネルギーのなかでもバイオマス発電は、主に植物(バイオマスの生物循環)を利用するので太陽光・風力・地熱に比べて扱いやすく、安定した発電が可能なことから注目されています。
バイオマス発電の仕組み
ここでは、バイオマス発電の仕組みを簡単に解説します。
バイオマス発電で使われる燃料源は、未利用資源、廃棄物、専用作物の3つに大別できます(以下の図を参照)。

産業廃棄物は主に廃棄物発電、食品・畜産はガス化発電(メタンガス)に使われていますが、発電量は少なめです。メインは植物由来の未利用系・資源作物系によるバイオマス発電です。
特に日本では林業・油脂系のパームヤシ由来の木質系がメインのバイオマス燃料になります。

メインのバイオマス発電の仕組みは次のとおりです。
バイオマス燃料を燃焼させて水を沸騰させ、その水蒸気でタービンを回します。タービンの回転力が発電機を動かし、電気を生み出します。

上の図を見るとわかるように、基本的には既存の火力発電(石炭・石油)と非常によく似た仕組みです。
既存技術を応用できる発電方式のため、導入・運用の難易度が低く、燃焼系の発電なので安定した電力供給が可能です。
ただし、石炭や石油などの化石燃料と異なり、バイオマス燃料は動植物系由来で非常に燃えにくいため、燃焼しやすくするための処理が必要になります(ペレット化)。

このペレット化が意外と非常に難しく、バイオマス発電における技術の要の一つになっています。

上記のような課題を解決するために以下の図のような処理工程を行ってペレットが出来上がります。

このペレット化の工程を経ることによりバイオマスが燃焼しやすい燃料になり、安定した発電が可能になります。

バイオマス発電のエコと言われる根拠
実際のバイオマス発電所は、写真からわかるように煙突を備えています。燃焼系の発電方式なので煙が出て、その煙には当然CO₂が含まれます。
それでもエコと言われる理由は、次の考え方に基づいています。

バイオマス燃料は基本的に植物です。発電所で燃料になる前、植物は光合成によってCO₂を吸収しています。このCO₂吸収量と発電時のCO₂排出量を差し引きすることで、CO₂排出はゼロとみなされています。
つまり、CO₂排出ゼロを達成しながら、従来の燃焼系発電技術を使えるため安定した発電が可能です。こうした特性から、バイオマス発電は再生可能エネルギーの重要な柱の一つとして位置づけられています。
バイオマス発電の実態
ここまでは一般的なバイオマス発電について解説してきましたが、ここからはkazubara.net節を全開にして工学的観点から問題点を解説していきます。
1,カーボンニュートラル説の崩壊
政府や一般的な解説では、バイオマス燃料と発電においてCO₂吸収と排出が差し引きゼロになると説明されています。
しかし、この”差し引きゼロ”が成立する条件こそが大きな誤解を生むポイントです。実際には燃料となるバイオマスの燃焼と、燃料となる植物の光合成の量のみが釣り合います。

理想的な燃焼、光合成状態でのみ成立する式でそれ以外の要素は全く関係ありません(発電も関係ない、燃焼のみ)。実際には燃焼も光合成も理想通りに行かないのが現実です(完全燃焼、植物の成長の際の光合成量のバラツキなど)。
従ってバイオマス発電に使われる植物の栽培、伐採、輸送、加工(ペレット化)の工程で排出されるCO₂は完全に追加の発生となります。

※森林の成長では枯葉、枯枝、根の分解や土壌の呼吸でCO2が発生する。
一連の工程の効率化、電動化が進められているようですが、バイオマスの元になる木材は山間地、栽培作物系は農地にあるため、作業機械の電動化はなかなか進みません。
結局、従来の化石燃料由来のエネルギーに頼ることになるでしょう。特に輸入バイオマス燃料の場合は海上輸送に頼ることになるため電動化はほぼ不可能でCO2が必ず出ます。

つまり、バイオマス発電をすればするほど、CO₂を吸収する植物がCO₂を発生する方法で栽培、伐採、輸送、加工されていくため、CO₂は余分に排出されることになります。
私は熱心な環境対策支持者ではないのですが、あまりにも”カーボンニュートラルでクリーンなエネルギー”と言われると実態との乖離が大きく強い違和感を覚えます。
そもそも植物がCO₂を吸収したのは過去の話です。温暖化対策で問題にしているのは現在、未来のCO₂量なのに、木材等の植物を燃やしてCO₂を排出していることに疑問を感じます。
2,悪すぎる発電効率
ここでは発電効率について注目していきましょう。
バイオマス発電の一般的な発電効率は小中規模でおよそ20%前後、大規模では25%の効率で非常に悪いです(発電効率は投入エネルギーと発電量の割合、投入エネルギーは燃料の量とほぼ同じ意味で差し支えない)。
この発電効率の悪さに加えてバイオマスの燃料の前処理であるペレット化が必須のため実質の発電効率は20~25%よりも下がります(同じ施設で効率よくペレット化を行う場合、別施設でペレット化を行う場合は別途のエネルギーが必要)。

粗計算でペレット化で165kWh程度を消費するので正味発電量は835kWh(ペレット1トン当たり)。つまり発電効率は16.5%~21.5%まで下がってしまいます。
ここで化石燃料由来の発電方法と効率を比較すると火力発電がおよそ40%、最先端の天然ガス発電が60%以上、石炭発電が48~50%なのでバイオマス発電の効率は半分以下レベルになります。
つまり同じ発電量を得るためにバイオマス発電は燃料の量が火力発電比でおよそ2倍、天然ガス比でおよそ3倍、石炭比で2.5倍ほども必要になります。
この必要燃料量の増大はそのままコストに繋がります。ためしに2025年の各燃料の平均的な国内調達費を参考に粗で1000kWhあたりの値段で計算すると次のようになります。

1kWh当たりだとバイオマス発電の燃料代が47.7円、火力発電が23.1円、天然ガスが11.1円、石炭が7.2円になります(実際の電気代には施設の償却費や人件費などが乗るのでもっと高いので参考値)。
このバイオマス発電の高コストな電気に対して再エネ賦課金(現在約4円/kWh)という名で我々の電気代に上乗せされて調整されてます(2025年5月以降、過去最高額)。
※再エネ賦課金は再生可能エネルギーによる発電全般への補助なので約4円/kWhが全てバイオマス発電に使われるわけではない
※全ての発電に対し一律約4円/kWhで集めることによって発電量が少ない再生可能エネルギーにお金を集める仕組み(再エネ割合は26%前後、バイオマス発電は全発電電力の内5.9% 2024年の統計)
お金の話は一旦、置いといても発電時に必要な燃料が多いということはCO2発生も多くなります(燃料の炭素含有割合と投入燃料の量で決まる)。

CO2排出量が多いと言われる石炭に対し2.5倍以上のCO2が発生します(理論計算だが割と正確なはず)。
いくら燃料のバイオマスが過去にCO2を吸収したとはいえ、新たに大量のCO2を出しても良い理屈が私にはよくわかりません。
個人的にはいくら過去にCO2を吸収したとはいえ、温暖化問題は現在、未来の問題だと思うのでバイオマス発電で大量のCO2を大気に追加しても良い道理が理解できません(単純にCO2は増えます、燃やした植物は直ぐに生えて成長するわけではない)。
3,燃料調達の実態(サプライチェーンの実態)
バイオマス発電が”クリーンな再生可能エネルギー”として言われる際に必ずセットで語られるのが”国内の未利用間伐材の活用”や”地方創生、エネルギー自給率の向上”ですが実態はなかなか上手く行ってないようです。
日本国土の67%が山林ですが何でもかんでもバイオマス用に使ってよい木とは限りません。
・山林の半分が環境保護や土砂災害防止、水源保護等で使えない
・優良木材は建築用木材に使われる
・一般材木材は合板や家具用に使われる
これらを踏まえると、バイオマス燃料に使える適齢木材は限られます(若い木は成長を待つ必要があるため)。
さらに、日本の山林は人里離れた急斜面が多く、伐採・搬入コストが高いため、技術的・経済的な面からも使える木材は減っていきます(再エネ賦課金、森林環境税、林業補助金という税金で補填されています)。
こうした事情から、多く見積もってもバイオマス発電に使える木材は全体の10%程度です。
実際に既に244か所もあるバイオマス発電所を定常運転させる量は全く賄えていないのが実情です(バイオマス発電は工学・経済性の観点から連続稼働を維持したい)。
※244か所は2025年の経済産業省の報告書より
そこで足りない分は輸入で賄っているのが実態です(2024年の統計より)。

輸入の内訳

調査するとたった36.8%しか国内で賄えていないのが実情です。発電ベースで割合を見ると100%輸入に頼ってるPKS(パームヤシ殻)が燃えやすくエネルギー量が高いため自給率はもっと下がるでしょう(パームヤシは油分豊富で燃えやすい)。
勿論のこと輸入バイオマス燃料に対してもFIT・FIP制度という税金の補助が採用されています(再エネ賦課金で補填、制度自体は複雑だから説明を省きます)。
バイオ発電の利点とされている”国内の未利用間伐材の活用”や”地方創生、エネルギー自給率の向上”とは程遠いのは気のせいでしょうか?
バイオマス燃料の輸入元の実情
ここまではバイオマス発電について、温暖化対策のCO2の問題、効率、調達の面から見てきました。ここからは輸入元の生産状況を見ていきましょう。
一部、刺激的な内容を含みますが、事実ベースで解説していきます(何故か日本での報道は少ない)。
先ほど図で解説した輸入国に基づいて、アメリカ・カナダ地区(木質ペレット)、インドネシア・マレーシア地区(PKS:パームヤシ殻)、ベトナム地区(木質ペレット)の3箇所に分けて解説していきます。
1.アメリカ、カナダ地区
この地域からは良質な木質ペレットが220万トン輸入されており、日本のバイオマス燃料全体の12%ほどを賄っています。
現地の主な生産場所は、カナダのブリティッシュコロンビア州、アメリカのサウスカロライナ州、ジョージア州です。

ここで起きている現地の実態としては、違法に原生林を伐採し、一部をバイオ燃料の木質ペレットとして輸出しています。
基本的に、バイオマス燃料用の木材の無闇な伐採を防ぐために取り決めがなされています(各国の法律、民間認定によるFSC/PEFCやSBP、日本ではクリーンウッド法)。
色々と決まりはありますが、基本的には持続可能性を維持するために原生林の伐採を禁じ、間伐材や廃材などをバイオマス燃料用に留める内容です。
しかし実態としては、以下の行為が発生しています(代表例を抽出)。
1,廃棄物、間伐材と報告しながら原生林の原木をそのまま丸ごとチップ化
廃棄物(製材所の残りかすなど)や間伐材のみを原料とすべきところ、実際には炭素貯蔵量の多い原生林から切り出した巨大な丸太(原木)をそのまま粉砕機(チッパー)に投入し、ペレット化していた。

情報源:Mongabay (2022-2023)、BBC Panorama (2022/2024)など
2,原生林の違法伐採
カナダ(ブリティッシュコロンビア州)で州政府が保護を指定したはずの”老齢樹保護区”において企業による伐採が行われている。

情報元:情報源:Stand.earth (2025年最新レポート “Truckloads of Trees”)、The Guardian (2025)など
3,認証制度の違法ロンダリング
認証を受けた”白い(クリーンな)木材の山”に、認証のない”黒い(違法伐採の)木材”を混ぜて出荷させている。

情報源:Ofgem (2024年発表)、FCA (英金融行為監督機構)など
まあ、どんな産業でも多少は違法な業者は存在するものですが、バイオマス燃料においては業界最大手が不正をして実際にバレて告発され、制裁を受けているので非常に規模の大きい問題になります。
・廃棄物を使っているという嘘がバレて投資家から訴訟される
・不適切な会計処理や実態の伴わないグリーンウォッシュ(環境偽装)が指摘されている
結果として2024年3月にチャプター11(連邦破産法第11条)を申請し、実質的に倒産しました(日本の倒産とは少し意味が違う)。
・BBC Panoramaによる違法伐採の告発でイギリス国内で政治問題に発展
・2024年8月、イギリスのエネルギー規制当局(Ofgem)から供給網のデータ報告に重大な不備があったとし2,500万ポンド(約48億円)という巨額の拠出金(事実上の制裁金)の支払いを命じた。
残念ながら、海外企業だから日本とは無関係とは言い難く、実際には大手商社と組んで大量の木質ペレットが輸入されています(Enviva社は事実上の倒産状態ですが、日本のいくつかの大手商社と長期契約のため供給は継続中)。
少し極端な言い方にはなりますが、私たちの税金の一部が不正に使われていると言っても間違いではないので全く私達と関係ないとは言い難い状況です。
2,インドネシア、マレーシア地区
インドネシア、マレーシア地区からはPKS(パームヤシ殻)を大量に輸入しています(587万トン)。日本のバイオマス燃料全体の30%程度を賄っています。

驚くことにインドネシアのPKS(パームヤシ殻)全輸出量の91%、マレーシアのPKS(パームヤシ殻)全輸出量の99%が日本向けです(貿易統計より)。
この地域でも残念ながら多くの不正行為が発生しています。
1,泥炭地(でいたんち)への放火
インドネシア政府は泥炭地(炭素の塊)の開発禁止(モラトリアム)を掲げていますが、重機で開墾するとコストがかかるため、マフィアや一部の業者が”意図的な放火”で森を焼き払って開発します(CO2も大量に排出)。焼けた土地でパームヤシを植えて伐採し出荷されている。

情報源:Rainforest Action Network (RAN)のKeep Forests Standing”(2023-2024)、FoE Japan (国際環境NGO)など
2,児童労働と奴隷労働問題
5歳〜14歳の子供に過酷な労働を強いること、および外国人労働者のパスポートを没収して強制労働させていることが報告されている。


情報源:Amnesty InternationalのThe Great Palm Oil Scandal (2016)、AP通信のFruits of Labor”(2020)、米国労働省のList of Goods Produced by Child Labor or Forced Laborなど
3,無許可伐採(盗伐)
国立公園や保護区の木を勝手に切り倒し、パーム農園に変える行為が報告されている。

情報源:Global WitnessのThe Shadow Tradeなど
4,ランドグラビング(土地収奪)の合法化
先住民族が代々住んでいる土地を、汚職役人と結託して”政府所有の未利用地”へと登記を書き換え、企業に払い下げ、住民への暴力行為も報告されている。

情報源:Human Rights Watch のWhen We Lost the Forest, We Lost Everything”(2019)、Walhi など
5,シェルカンパニー(ペーパーカンパニー)による責任転嫁
森林を焼き払うなどの違法、グレーゾーンの仕事だけを別会社(ペーパーカンパニー)に行わせ、その後で大手企業がその土地を買収していたことが報告されている。

情報源:The Gecko Project のIndonesia’s Timber Mafia、Chain Reaction Research (CRR)など
これらの問題はインドネシア・マレーシア地区でも一部の業者による留まらず、次のような事件で明るみになったように大規模で行われている可能性が非常に高いです。
- 大手パーム油関連企業「Duta Palma Group」のオーナー、スルヤ・ダルマディが、リアウ州の保護森林3万7000ヘクタール(山手線の内側の約6倍)を違法にパーム農園に転換
- インドネシア貿易省の対外貿易局長が、特定のパーム油大手(ウィルマー・グループ、ムシム・マス等)に便宜を図り、違法に輸出許可を出していたとして逮捕
- マレーシアのパーム油・バイオマス業界の巨頭のサイム・ダービー(Sime Darby)およびFGVホールディングスが米国政府から名指しで強制労働(債務労働、パスポート没収、身体的・性的暴力)の証拠があるとして、輸入禁止措置(WRO)を発令
単なる不正や環境対策関連の認証の詐称であればお金の話で済みますが、人道的な側面は非難を免れることはかなり難しいと思います。
実際にこの地域からのPKS(パームヤシ)に輸出先の9割以上が日本向けなので無関係と言い切ることはかなり無理がありそうです(税金や再エネ賦課金が投入されているのが辛い事実です)。
残念ながら彼らの資金源の多くに我々が寄与しているのが事実です。
3,ベトナム地区
最後に解説する地域は日本の木質ペレット輸入において最大の貿易国ベトナムです(日本の木質ペレット総輸入の53%で308万トン)。

ベトナムの木質ペレットの輸出量の6割が日本向けなので、当然ながら1位の輸出相手国です(2位は韓国)。
ベトナムにおいても残念ながら木質ペレット関連で不正が行われています。
1,持続可能森林認証の詐称(日本も含む持続可能認証のFSC認定の詐称)
ベトナムのFSC認証林(持続可能な森)は、全人工林のわずか**5.6%(約26万ha)に対して輸出している量が大幅に上回っていて辻褄があわない。

情報源:ベトナムの最大手の木質ペレット会社AVPを含む2社のFSC詐称事件の各社報道
2,カンボジア・ラオスからの違法木材の密輸
上記のFSC認証枠の超えた部分の大部分は木材は隣国のカンポジア・ラオスから盗伐して密輸。国立公園での盗伐を阻止しようとした環境活動家やジャーナリストが、マフィアや結託した治安部隊に消される事件が報告されている。

情報源:国際NGO EIA (Environmental Investigation Agency)のRubberized (2024)など
3,違法な土地収奪
企業が政府と協力し、先住民族や小規模農家が代々利用してきた土地を、半ば強制的に”産業用プランテーション(アカシア等)”へ転換させる行為、強制退去で暴力も報告されている。

情報源、Human Rights Watch 、現地の環境フォーラム Walhiなど
これらの不正も他の地域同様に一部の企業、業者に留まらずベトナムの最大手企業による大規模な不正が発覚しています。
- 認証取得企業から木材を買ったように見せかける購買伝票の偽造により、FSC(持続可能森林の認証機関)から永久追放(ブロック)された
- 偽装により、日本の再エネ賦課金から年間約100億〜160億円もの不当な支払いが発生していた試算もある
その後、AVP社は3年半のブロックを宣告されましたが、わずか1年後の2023年12月に早期解除(復帰)が認められました(詐称問題は本当に解決したのだろうか?)。
2025年8月にはFSCとASI(監査機関)はベトナムの取引情報照合調査(TVループ)を完了し、新たに3社の認証取得者をブロック(停止)するよう勧告したようです(ベトナムの不正問題の根の深さがわかる事例)。
残念ながらAVP社を含む大規模な不正に対して多額の日本の税金や再エネ賦課金が使われていることは残念ながら事実です。
日本の対応としては固定価格買取制度(FIT)の制度による支援対象から木質ペレットを除外する方針を考えているようですが、実際にはどうなるでしょうか?(執筆は2025年12月現在なので2026年はどうだろうか?)
また固定価格買取制度(FIT)の見直しを進めている一方でFEED IN PREMIUAM制度(FIP)への移行も検討されているようですが、いずれにせよ税金や再エネ賦課金から補助金がでることには変わりません(補助額は下がる見込みのようです)。
まとめ
ここまでバイオマス発電を工学的に環境性能、効率、燃料供給のサプライチェーンの課題と輸入元の問題を見てきました。
・バイオマス発電のカーボンニュートラルは燃焼と光合成のみ、それ以外はCO2が排出される
・バイオマス発電は効率が悪く発電コストが高い、再エネ賦課金で補填している
・発電時には従来の化石燃料よりCO2排出量が多い(ただし燃料となる植物が過去に吸収している)
・バイオマス発電用の燃料は国内調達で賄いきることが難しく輸入に頼っている、輸入料も再エネ賦課金で補填
工学的な見地から見ると個人的には効率が悪く力を入れて続けるメリットが見当たりません(柱になる大義名分の温暖化対策も効果が怪しい。
効率性の悪さからあまりにも経済性が悪く、燃料の調達に税金や再エネ賦課金で補填、施設の建設や運用も税金で補填、販売する電気には再エネ賦課金でユーザーから徴収と3重苦になっています(タコが自分の足を食べているような状態より酷いかもしれない)。
また温暖化以外の大きな名目である”国内の未利用間伐材の活用”や”地方創生、エネルギー自給率の向上”が成り立つかどうかも非常に怪しい部分があります(輸入燃料が63.2%を占める)。
そもそも森林の木はそんなに簡単に再生できるのか?という疑問が拭えません(成長が速い杉でも40~50年、本当に再生可能エネルギーなのか?)。
輸入元の不正問題も見逃せない大きな問題です。
詐称や不正による経済損失や環境問題は直近で大きな問題になる可能性は小さいので百歩譲って後回しにするとしても、いくつかの見過ごせない人道問題が発生しているので個人的には直ぐにでも日本の税金や再エネ賦課金をバイオマス輸入燃料に使って欲しくないと思います(税金や再エネ賦課金が海外の人道問題を誘発する可能性があるのは受け入れがたい)。
・自動労働や奴隷労働問題


・土地の収奪

・国立公園での盗伐を阻止しようとした環境活動家やジャーナリストが、マフィアや結託した治安部隊に消される事件
など
これらのことから個人的にはバイオマス発電は徐々に辞めていく方向で進めて欲しいと思ってしまいます(人道問問題観点で強く思うのと再エネ賦課金が辛い)。
そもそも日本の全発電電力のおよそ5.9%しか賄ってないので止めても日本全体の産業への影響は少ないです(他の発電で簡単に補填できる量)。
既に設置してしまったバイオ発電は仕方がないにせよ、新規の設置は慎重になって欲しいと思います(事業者は従業員を抱えているので既存の発電所を直ぐに止められないのは仕方がない)。
できれば段階的にバイオマス発電を減らして行って、バイオマス燃料は基本的に国内調達かG7からの輸入で賄える規模にして欲しいと思いますがどうでしょうか?(今と同じやり方で大量にバイオマス燃料を輸入すると人道問題が誘発されるリスクが恐ろしい、日本国内やG7の国なら人道問題が発生する確率は非常に低い)
以上、皆さんはどう思いますか?よかったらコメントを頂けたら幸いです。


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