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Kazubara
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自動車メーカーの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計の技術を伝授します。仕事などのご依頼は下のお問い合わせボタンからご連絡下さい。

LAYLAX SIGSAUER M17 CO2GBB スライドの分解(P320)

前回でLAYLAX SIGAIR Proforce M17 CO2 GBBのレビューを一通り紹介させていただきました。

今回は分解していきます。また分解しながら組み付け状態、設計思想、製造方法などを考えながら進めていきます。

目次

フィールドストリップ

スライドを外していきます。

スライドオープンさせた状態でテイクダウンレバーを下げればスライドが前方に抜けます。

laylaxm17 スライドを外す手順

外れたスライドです。

laylaxm17 スライド アッシー

パッと見で凄い工夫がされていて、ブローバックのシリンダ径を稼ぐためにブローバックエンジンがスライドからはみ出ています。

laylaxm17 ブローバックエンジンの工夫

真横から見るとよくわかります。

laylaxm17 ブローバックエンジンの工夫 サイド

凄い設計です。これが凄まじいキレを生み出す要因だと思います。

折角なのでスライド一式の重量を測ります。

laylaxm17 スライド重量

224.5gとかなり重くガスブロのM4の平均的なボルト重さ200gを余裕で超えています。これが快調に動くんですからCO2は凄いです。

リコイルスプリングを見ていきます。

laylaxm17 リコイルスプリング

普通な感じですが唯一、特徴的な部位はホップ調整のためのセレーション(ギヤみたいなモノ)が付いています。

ここからはスライド内の部品を分解していきます。

バレル周りの分解

アウターバレルを見ていきます。

laylaxm17 アウターバレルアッシー

謎のOーリングが付いています。衝撃吸収かなと思いましたが、スライドに嵌めてもリングが当たる場所がないのでよくわかりませんでした。

次に上下反対にして細かく見ていきます。

laylaxm17 アウターバレル カム部

バレルのティルト作動の再現のためにカムがついています。これでアウターバレルが動きます。

ホップを見ていきます。

まずはホップ調整0の状態です。

laylaxm17 ホップ0の状態

全く突起が出ていません。これでは弾ポロしても納得です。

ホップ調整量MAXです。

laylaxm17 ホップMAXの状態

突起量が少ないです、要対策です。

次に分解していきます。

アウターバレルからホップチャンバーを取り出します。そのために忘れがちなバネを外しておきます。

laylaxm17 バレルリターンスプリングの取り外し

このバネは引っ掛けを外して置くだけで大丈部です。役割としてはアウターバレルがティルトアップした状態から平常に引き戻すためのバネです。

次に写真で示している場所のピンを抜きます。

laylaxm17 アウターバレルピンの取り外し

これがメチャクチャ硬いのでしっかりしたピンポンチを使うことをお勧めします。

laylaxm17 ピンをポンチで叩く

抜けるとアウターバレルからホップチャンバーが取り出せます。

laylaxm17 抜いたアウターバレルピン

ピンが微妙に曲がっていました。おそらく最初から曲がっていたと考えられます。後で矯正します。

・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。

・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。

・ベッセル プラスチックハンマー
安くて頑丈で長持ちします。サイズはコントロール、パワーのバランスで1ポンドがオススメです。

ここまででの分解した部品を並べます。

laylaxm17 分解したバレル周り部品

次にホップチャンバーを分解していきます。

写真の2箇所のネジを外します。

laylaxm17 ホップチャンバーの分解

チャンバーを分解します。丁寧に分解しないと中の部品が外れていくので注意して下さい。

laylaxm17 ホップチャンバー内部

これで弾ポロ、ホップが弱い原因がわかりました。

ホップ調整0だとホップアームとパッキンの間に隙間があります。つまりホップダイヤルを少し回して行かないと全くホップがかからないので弾が保持できませんし、折角の調整量も隙間のせいで無駄になっています。

これも要対策です。

次にチャンバー内の部品を見ていきます。

ホップ調整用のせレーションです(ギヤみたいなモノ)。

laylaxm17 ホップ調整用のセレーション

片方だけですがOーリングが脱落して組まれていました。残念です。組み直した写真です。ちなみにこのOーリングはホップ調整時の粘り感とズレ防止だと思います。

次にホップアームです。

laylaxm17 ホップアーム

板金の打ち抜き板です。ホップを押す部分が長掛けになっているのでうまく調整すればかなり良くなると思います。

次にパッキンです。

laylaxm17 ホップパッキン

VFC純正によくある長掛けタイプのパッキンです。以前にも紹介したUMAREX/VFCのG45、GLOCK19Xでも良い性能を発揮してくれました。

最後にバレルです。

ホップ窓です。

laylaxm17 バレルのホップ窓

いわゆる幅広タイプより広そうなホップ窓です。ここの加工はバリなど少なく良い感じでした。

バレルの先端です。

laylaxm17 バレルの先端

テーパーなどは無くてストレートなバレルです。

バレルの材質はアルミ製だと思われます。そんなに悪いバレルではないと思います。

ブローバックエンジンの分解

ここからはブローバックエンジンの分解です。まずブローバックエンジンを見ていきます。

laylaxm17 ブローバックエンジン ブリーチ

ノズル(黒い部品)を動かしてみます。

laylaxm17 ノズルを動かす

かなり伸びます。おそらくスライドストロークがかなり長いと考えられます。

分解していきます。

写真で示したネジを外していきます。

laylaxm17 ブローバックエンジンの取り外し

このネジを外すとブローバックエンジンと共にスライド上部のリヤサイトとドットサイトのマウントのカバーが外れます。

laylaxm17 リアサイト

ドットサイトのマウントのカバーです。

laylaxm17 ドットサイトマウントカバー

同様にブローバックエンジンも簡単にスライドから外せます。

laylaxm17 ブローバックエンジンの取り外し

外すとブローバックエンジン(ピストンカップ、ローディングノズル)が出てきます。

laylaxm17 ブローバックエンジ

次の写真のネジを外すとローディングノズルとピストンカップが分解できます。

laylaxm17 ノズルリターンスプリング

分解したピストンカップを見ていきます。

laylaxm17 ピストンカップ

限られたスペースで面積を稼ぐためにかなり特殊な形状になっています。ピストンカップは通常であれば円形状で直径13〜15mmが多いです。ここの面積が大きければ大きほどガス圧を受けられるのでブローバックの力強さが大きくなります。

よくGBBの売り文句でシリンダ径15mmの大迫力、system7で15mmとかはここの径を示しています。ちなみに円形が多いのはガス漏れ対策で円形形状のガスのシールがしやすいからです。。

特殊な設計をすることでこの製品のような形状でも漏れ対策ができるので工夫次第です。

この製品の形状だと直径15mmの縁より面積が大きそうなので、かなり強烈なブローバックを発生させています。

ガスブロの作動メカニズムも解説しているので良かったら覗いて見て下さい。

ピストンカップをさらに見ていきましょう。

上から見た状態。

laylaxm17 ピストンカップ 上部

下から見た状態。

laylaxm17 ピストンカップ 下部

全体的にバリが多めなのでカスタム時に研磨していきます。

次にノズル(ローディングノズル)を見ていきます。

ちなみにノズルは上下を逆に見ています。

横です。

laylaxm17 ノズル

反対側。

laylaxm17 ノズル 左側

裏側です。

laylaxm17 ノズル 裏側

真ん中にフローティングバルブが入っているのが見えます。

ノズル正面の写真もお見せしたいのですが、単体で撮り忘れたのでスライドに組み込まれた状態での写真です。

laylaxm17 初速調整用オリフィス

おそらく初速を絞るためにノズルのガス排出口の面積をかなり絞っています。そのせいでCO2の割には初速が低めになっています。

ここまでの分解した部品の全容は次の写真のような感じです。

laylaxm17 分解したスライド部品

長くなってしまったので今回はここまでとし、次回はノズル内の分解〜シャーシの分解、まとめ、カスタム目標決めを紹介させていただきます。

・LAYLAX SIGAIR  Proforce M17 CO2 GBB コヨーテブラウン
課題はあるものの良い商品です。また米軍正式採用ではこれが唯一のモデルアップなので貴重です。

・LAYLAX SIGAIR. Proforce M17 CO2 GBB  予備マガジン
LAYLAXさんなので供給は安定していると思いますが、このご時世だと船がなさそうなのである内に購入がおすすめです。

・LAYLAX ハイバレット CO2ガス 6本パック
6本だとあっという間だと思いますが一応紹介します。

・LAYLAX ハイバレット CO2ガス 30本パック
どうせ使うので安くなる30本入りがおすすめです。3000円を切っていて安いです。

・マルシン CO2ガス 30本入り
多分、使えます。値段、品質のバランスはマルシンさんが一番だと思います。

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