今回は発売からまだ一ヶ月のホットな機種であるLAYLAX SIGAIR Proforce M17 CO2 GBBのレビューをしていきます。
実は以前に頼まれてマルシンさんのCO2 GBBのFive-seveNの修理をしましたが、自分ではCO2 GBBを持っていませんでした。欲しいなあと思っていた所に2021年の春にLAYLAXさんから日本対応モデルが出るとのことで 珍しく予約をしました。
しかーし同年6月発売予定だったものの世情から生産、輸送が遅れ発売が11月10日頃になってしまいました。この時間が製品に対して私の期待を大きく膨らませます。
外箱、内容物
届いた状態です。
折角なので予備マガジン2本とボンベセット30本(写真には写っていません)を購入しました。付属のボンベ(10本?)は予約者特典だそうです。

次に製品の箱を見ていきます。

裏側にはエアソフトのスペック一覧が記載されていてゲームのウェポン選択画面みたいです。

箱を開けてみます。生産元はVFCなので見慣れた感じです。

入っているものを全て並べてみました。結構、いろいろ入っています。

・本体
・弾速証明書
・SIGAIR 説明書(英文)
・説明書(日本語)
・CO2ボンベ取り付け用の六角レンチ
・ホップ調整ツール
次に輸入の際に必ず必要になる弾速証明書です。

本当にこんなに出ているのなら良いのですが実際には・・・。
次に付属書類その1。

SIGAIRの説明書です。
次に日本語説明書です。

もし購入された方、購入を検討している方は内容物はこれで全てですので、もしご自分の製品に過不足がないか参考にしてみて下さい。
次に本体です。
本体外観
まずはいつも通りの全体のサイドビューです。

逆側です。

次にスライドの詳細を見ていきます。
スライド外観
まずは左側面から見たスライド前方です。

SIG SAUER M17としっかりと刻印が入っております。材質に関しては強度面からかナイロン系のFRPだと思います。なので見慣れているABSの塗装品に対しては質感は劣ると思います。
日本のためだけにスライドの金型を起こしているのでコスト、手間を考えると塗装までは難しいのでしょう(ナイロン系は塗りにくい)。
反対側です。

セレーションだけで刻印はないようです。
マズルを見ていきます。

アウターバレルはアルミでライフリングの造形がついています。下側ののリコイルスプリングのロッドはホップ調整に利用しますが、後ほど紹介します。
フロントサイトです。ネジ留めです。サイトは樹脂です。

次にチャンバー部を見ていきます。

エキストラクターは別備品で接着剤でついているようです。スライド後端上部の黒い部分はドットサイトを載せる穴のカバーです。
上から見たチャンバーです。

かなり工夫された形状に見えます。実物ではロッキング性能、廃莢性能に良い影響を与えていると考えられます(設計の腕の見せ所ですね)。
最後に後端部です。

当然ながらストライカー方式なのでハンマーはありません。
操作系
操作系は最新ポリマーオートなのでトリガー以外は親指一本でアクセスできます。

勿論、全てアンビ化されています。マグキャッチは入れ替えでの対応になります。
ただしスライドリリースレバーだけは右だけです、ガンコントロールには関係ないのでこれで良いのでしょう。

次にトリガーの引き代を見ていきます。
まずは何もしていない状態。

ちなみにコッキングしてもトリガーの位置はほとんど変わりません。
シアーが落ちる直前

引き切り

まずポイントとしてスライドを引いてハンマーをダウンさせてもトリガーの位置はほとんど変わりません。多くの商品ではトリガーがかなり動きますが本製品は違います。
次にハンマダウン時からシアーが切れるまでのトリガーの遊びはほとんどありません。シアーが落ちる時もトリガーはかなり硬いです。
全体的に操作フィーリングはかなり硬い印象を受けると思います。私の好みではないので要改善ポイントです。
次にセーフティです。
セーフティオフ状態です。

後のレバーを親指で上方に上げるとセーフティがかかります。

セーフティですが残念ながらレバーが硬くて親指では操作できません。硬くて渋い動きをするので要改善ポイントです。
最後にハンマーの状態の見極め方です。本製品には積極的に判明するようなインジゲーターがありませんが、私の方で判別法を見つけました。
ハンマーが立っている、コッキングしていない状態。

ハンマーダウン状態、コッキング済み

隙間からハンマーが見えますので撃たなくても確認できます。
最後にサイトピクチャーです。伝統的な3ドットタイプで見やすいです。

グリップ、フレーム外観
次にグリップ周辺を見ていきましょう。

反対側です。

マグキャッチ周辺のグリップの窪みが非常に握りやすいです。ミリタリーには珍しくランヤードリングがついていません。
握った感じです。筆者は慎重175cm、体重70kgの平均的な日本人でては小さめです。

握り直さなくても全ての操作系に届きます、流石の最新ポリマー、米軍正式採用です。
フレームサイズはここに記載されていました。

Mの下の穴がランヤードリングの代わりでしょうか?
次にフレームを下から見ていきます。

メカが見えます。メカの詳細は次回の分解編で詳しく見ていきます。
次に刻印です。

いつもの使う前にマニュアルを読めと刻印されています。
次にJASG承認、LAYLAX刻印が入っています。

これがないと補償が受けられないそうです。最も既に分解しているので私のものは保証は受けられません。。
スライドオープン、ホップ調整
スライドオープンです。

反対側

ホップ調整はこの状態で行います。
付属のキャップを使います。


これをスプリングガイドの先端に取り付けて回して調整します。

ちなみにホールドオープン状態で初速を絞っているパーツを見つけました。この追加パーツについては次回の分解編で紹介します。

最後に本体重量です(マガジン無し)。

マガジン
次はマガジンを見ていきます。
正面です。

給弾穴が長いくせにフォロワーが大きいのでスペックで21発しか入りません。
長いマガジンフォロワーです。

次にガス排出口です。

CO2で高圧のためか排出口の面積はかなり小さめです。
横です。

残弾確認穴はモールドで表現されていて良い造形です。
背面です。

ボンベが入る穴がガッツリと空いてます。いわゆる開放型で安全な手法のCO2マガジンで安心しました。
次にバルブをよく見て行きます。

改造防止でバルブを緩める方向には工具が掛からないようになっています。やろうと思えば外せますがやめておいた方が無難です。
ヤバイCO2のマガジンの強度計算を以前にしたので、できれば見て下さい。密閉型でマガジンが破裂して怪我している人が複数、出ています。自分だけでなく回りの方への安全のために一読していただきたいです。

底です。

ボンベを押し上げる六角ボルトがついています。
次に実際にボンベを付けていきます。まず規格で作られている形状が決まったボンベです。

これをマガジンの穴に入れます。

ボンベを受ける皿が球面形状なので気を使わなくともセンターが出るので楽です。

次に付属のレンチで締め上げます。

閉めていくうちにガスが出る音が聞こえますが、気にせず閉めていくと完了です。この機種はかなり簡単でマルシン CO2. Five-seveNより簡単に装着できます。
完成です。

最後にボンベなし、弾無しでのマガジン重量です。

実射性能、弾道確認
実射性能確認です。
条件は2マガジン撃ち切ったCO2ボンベにマガジン表面温度29℃、室温22℃で22発装填です(スペック21発なのに無理せず22発入りました)。

弾はVFC バイオ弾 0.2gのホップ調整量0で測定。
結果、測定不能。弾ポロでまともに撃てませんでした。そのメカニズムは次回の分解編で紹介します。
仕方がないので同条件でホップを全体の1/4ほど掛けて測定です。

続けて何発か撃った結果です。

CO2の割には物足りない感じがします。
これはカスタムで改善していきましょう。
弾速計の紹介記事

燃費
次に燃費です。
撃つ前のマガジン重量です。

計測での22発を撃った後のマガジン重量です。

3gの消費で22発なので1発当たり0.134gでかなり燃費が良いと思われます。ただし比較対象がHFC-134aのガスブロなので一概に比較できません。
調査によるとCO2ボンベの内容量は12±1gなので4マガジンほど撃てるはずですが、ガス量低下に伴うガス圧低下で実質は3.5マガジンが実力だと思います。
おおよそで70発前後なので平均のちょっと下ぐらいの燃費でしょうか。理屈的にはノッカーリターンの溝を調整すれば燃費を上げることが可能です。
最後に作動の動画です。
LAYLAX SIGAIR Proforce M17 箱出し
流石にリコイルは重くて楽しいです。
弾道性能確認
本ブログでは珍しく箱出しでの弾道確認をしてきました。
場所は千葉県野田市のフィールド Yanexさんです。

レンジの雰囲気です。

条件としては気温12℃の寒い状態でいくらCO2と言えど初速は低いです。
その時の計測条件はガスボンベ満タン、VFC 0.2g バイオ弾、ホップメモリ3/5、初速68m/sで見てみました。

流石に初速が低すぎるのであまり飛びませんでした。70m/sを切っているのでコンパクトなハンドガンのGBBと同じくらいです。またホップ調整がかなりシビアで難しかったです。
ただしこの12℃という寒い気温でもしっかりと作動したので、流石でした。
この辺は物足りないので要改善ポイントです。
・G&G バイオ弾 0.2g
安くて精度が良いので性能確認からサバゲーまで広く使っています。日本に入ってきた頃から使ってるお気に入りです(2008年くらい)。バイオの割に日持ちします
・G&G バイオ弾 0.25g
0.25gです。基本は0.25gでサバゲーしています。
まとめ

箱出しでなんとか使えます。気になる点はいくつかあるものの上手く調整できれば東京マルイさんのグロック 19純正箱出しと似たような弾道が得られます。
その弾道が通年で得られること、リコイルの重さからも非常に楽しめる一品だと思います。
気になる点は海外製品ならではの各操作系の硬さ、重さが気になります。スライド、セーフティ、トリガーはかなり硬くて動きも渋いので対策していきたいです。
さらにただのGBBなら気になりませんがCO2ガスガンの割には初速がかなり低いです。本製品は高価格(2万円オーバー)の商品なのでもう少し飛距離が欲しい感じがします。これも要対策です。
またホップもかなりシビアなので調整していきます。
気になる点は個人差によるので冷静に製品を見ると良いデキだと思うのでお勧めです。
次回、分解編をお送りいたします。良かったら見て下さい。

・LAYLAX SIGAIR Proforce M17 CO2 GBB コヨーテブラウン
課題はあるものの良い商品です。また米軍正式採用ではこれが唯一のモデルアップなので貴重です。
・LAYLAX SIGAIR. Proforce M17 CO2 GBB 予備マガジン
LAYLAXさんなので供給は安定していると思いますが、このご時世だと船がなさそうなのである内に購入がおすすめです。
・LAYLAX ハイバレット CO2ガス 6本パック
6本だとあっという間だと思いますが一応紹介します。
・LAYLAX ハイバレット CO2ガス 30本パック
どうせ使うので安くなる30本入りがおすすめです。3000円を切っていて安いです。
・マルシン CO2ガス 30本入り
多分、使えます。値段、品質のバランスはマルシンさんが一番だと思います。
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