前回は東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスターのレビューを紹介しました。

今回は分解しながら部品や組み立てなどの品質を見て行きましょう。
フィールドストリップ
最初にフィールドストリップ分解をやっていきます。
スライドを引いてハンマーをコックしてからスライドストップレバーを下の写真の位置に合わせます。

そのままの状態でスライドストップレバーを写真の手前側に抜きます。

これでスライドとフレームが分割できます。

古い設計の製品なのでホップ調整はこの状態にする必要があります。

次にリコイルスプリングを外していきます。

1,先端のブッシュを手前にずらしてブッシュをスライドから外す
2,ブッシュをずらしたままバレル根本側を押してチャンバーから外す
3,リコイルスプリングの両端を抑えながら外す
外したリコイルスプリングは前回で解説したようにダブルスプリングになっています(デトニクス.45の特徴)。

次にバレルをスライドの先端方向へ引き抜きます。

これでフィールドストリップの分解が完了です。

慣れないとリコイルスプリングが外しにくいのですが落ち着いて分解すれば大丈夫です(コンパクトM1911モデルの宿命)。またここまでは工具は必要ありません。
バレルの分解
アウターバレル、ホップチャンバーを分解していきます。

最初にアウターバレルを外します。
アウターバレルはインナーバレルとスプリング、ブッシュと接続しているので下の写真のアウターバレルの穴の中にある突起を押して接続を解除します。この段階で接続のメカニズムがわからなくても大丈夫です。

アウターバレルはホップチャンバーに嵌っているので下の写真のアウターバレル根元部を浮かせて外します。

細いマイナスドライバーで少しだけ浮かすとそこまで難しくないです。ただし浮かし過ぎるとアウターバレルが破損するので注意が必要です。
・アストロプロダクツ PB 100/0 歯幅2.5、歯厚0.4mm マイナスドライバー
PBなので高いですけどアストロの卸しているシリーズなので安めです。品質はPBなので高いです。

次にホップチャンバーを分解します。

ホップチャンバーが分割できればチャンバー内の分解は省略します。
ホップチャンバー関連部品の全体図です。

ここからは性能に関わる備品を少し細かく見ていきます。
インナーバレルです。

内径6.08mmのホップ窓は幅広タイプでいつもの高品質な純正バレルです。先端はテーパー加工あり、長さは mmでコンパクトモデルなだけあってかなり短いです。
ホップパッキンです。見易さのために組みつけ状態に対し上下逆さまで写真を撮っています。

東京マルイ純正の定番、コブタイプの突起になります。
ホップアームです。

これも東京マルイさんの定番の形状になります。ホップアームの凸部は長掛けに対応していないので宮川ゴムさんなどの長掛けパッキンを使う場合は工夫が必要です。
これでバレル関係は全て分解できます。

・ドライバーセット
安いモノでも良いのですが手頃で高品質なものだとハゼット、トネ、KTC、ベッセル辺りが良いと思います。
スライド、ブローバックエンジンの分解
ここではスライドからブローバックエンジンを外して分解していきます。

スライドのレールのネジを外します。

スライド後端の六角ネジを外します。

次にスライドを両手で拡張しながら利き手の親指でノズルを下に押してブリーチを落として外します。

イメージとしては下の写真のような感じです。

力を入れ過ぎるとスライドやノズルを壊してしまうのでリラックスして少し時間を掛けてトライしてみて下さい。
分解できると以下の部品が出てきます。

取り外したブローバックエンジンです。


ブローバックエンジンを分解すると以下の部品が出てきます(分解は簡単なので省略)。

ブリーチのピストンカップを見てみます。

エアガンとしてのデトニクス.45の大きな特徴の一つになります。これはスライドの後端を低くするために通常であれば円形のピストンカップを一部切り欠いてD型にしています。

ピストンカップを外すと以下の写真のようになります。

ガスカットタイミングが速めなのがこの機種の特徴だと思います。これによって燃費が一発当たり0.14gで相当に良いです。
シングルカラムでガス容量が小さいマガジンと相性がいいセッティングになっています。
ノズルです。


分解したスライドを見てみます。

フロントサイトは固定、リアサイトはスライドさせれば外せます。
これでブローバックエンジンの分解は完了です。

もし興味があればガスブロの作動メカニズムを解説しているので覗いて見て下さい。

フレームの分解
フレームを分解していきます。

グリップを外します。

かなり大きな錘が入っています。
次に下の写真のプレートを外します。これは乗っているだけなので簡単に外れます。

外したプレートはスライドストップ、サムセーフティのクリック感を出すための部品です。


ハンマーをコックしてサムセーフティを外します。写真手前側に外れます。

次に写真の位置のピンを抜きます。抜く方向が決まっているので注意です。

ピンを抜けばハンマースプリングハウジング、板バネ、テイル部品が外れます。これらの分解も特に悩むことはないはずです。

ハンマースプリングハウジングは内部にスプリングが内蔵されておりハンマーとの位置関係は以下の写真のようになります。ハンマーはこの段階では取り出しできません。

次にハンマーとシアーのピンを抜いていきます。向きが決まっているので注意して下さい。

ピンは手で外せるレベルなので間違えてピンポンチで叩くと傷がつく、破損することがあるので注意して下さい。
ここではピン以外に外れる部品はありません。
インナーフレームを外すために下の写真のネジを外します。


これでインナーフレームが取り外せます。

外すときにノッカースプリングが飛びやすいので失くさないように注意して下さい。
取り外したインナーフレームです。

インナーフレームを反対側にしディスコネクターを外します。

ハンマーのメカ部を抑えているプレートが見えるのでネジを外してプレートも外します。

これでハンマーのメカ部にアクセスできます。

ハンマーのメカ部は発売当時でもかなり熟成されたM1911タイプのシングルアクションになっています。
ハンマーメカ部を分解すると以下の部品が出てきます。上の写真で説明した部品の名称は省いています。

最後にマガジンキャッチを外します。


これでトリガーも外せます。

これでフレームの分解は完了です。

・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。
・ベッセル プラスチックハンマー
安くて頑丈で長持ちします。サイズはコントロール、パワーのバランスで1ポンドがオススメです。
・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。
まとめ
全体を分解した印象としては実物モデルの特徴を上手く活かしながらもガスブロとしてはオーソドックスに上手くまとめられている感じでした。
個人的に面白いメカは以下の点でした。
・アウターバレルとインナーバレルの間にスプリング
・ダブルスプリングのリコイルスプリングシステム
・D型のピストンカップ
フレーム内部のメカはM1911からグリップセーフティを除いただけでほぼ同じになります(発売当時はM1911も発売したてで当時の最新メカ)
2007年に新発売で設計はかなり古いのですが内部構造で明らかに見劣りするような部分はありません(アウターバレル内のスプリングは最近のモデルでは廃止)。むしろデトニクス.45は東京マルイさんで初めてのシングルアクション、シングルカラムのコンパクトガスブロモデルなので気合が入っているように見えます。
部品の品質、組み立て品質も非常に高くグリスもしっかりと塗られていて流石の東京マルイさんです。
部品点数は多いですが分解、組み立て難易度はさほど難しくなく、分解は初めてでも1時間半ほど見ておけば十分に可能だと思います。よく分解されるグロック系より簡単だと思います。
苦労する部分があるとすればリコイルスプリングの取り出し、アウターバレルの取り外し、ブローバックエンジンの取り外しの3点だと思います。各工程とも詳しく解説したつもりなので参考にしてください。
もし分解メンテナンス、社外部品への交換などのカスタムを考えている方の参考になれば幸いです。
以上、東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスターの分解レビューでした。
次回は組み立て、カスタム編です。

・東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター ブラック
レビューしたモデルです。
・東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター ステンレスモデル
実物のリアルさから考えるとステンレス+ブラスト仕上げでステンレスモデルのが雰囲気が出ていると思います。
・東京マルイ デトニクス.45 スペアマガジン
一本くらいはあるとマグチェンジができてより楽しめます
アニメとのタイアップも意外と在庫があるので探してみると良いと思います。
2025年の私の調査で転売価格ではなく定価以下程度で購入できるリンクを調査しました。
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