前回は東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスターの分解レビューをしました。

今回はレビュー、分解編を通じて気になった部分をまとめてから組み立て、カスタムに入っていきましょう。
気になる点、改善点
東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスターをレビュー、分解して感じた不満点はほとんどありませんでした(設計が古いにも関わらず完成度が高い)。
敢えて不満点を挙げるとすれば”ブラックモデルの場合は外観仕上げのリアルさ”くらいでしょうか(実物モデルのブラックはブルーフィニッシュが多い)。

性能に関しては0.2g弾、ホップ適正で初速が62m/sくらいでガスブロ全体の平均と比較すると低めなのですがコンパクトモデルであることを考えると十二分な性能になっていますしバレル長が短いのでこれ以上の初速アップは難しそうです。

作動性においても燃費が1発あたりおよそ0.14gとかなり良くこれ以上の改善は難しそうです。
これらのことから今回は目標を掲げずに僅かでも良くするために基本的なメンテナンスレベルに近い内容で進めて行きます。
・社外品のグリスで摺動性アップ・・・ベルハンマーゴールドグリスを使う
・摺動部の研磨・・・リューターやヤスリでの研磨
・気密アップ・・・ホップ関連部にシールテープ、シリコングリスを使う
外装に関しては箱出し状態でもブラス仕上げと凝った仕上げになっていて、塗装を落とすのは勿体ないのでこのままにします。
参考までに使用する工具は以下の種類で組み立てて行きます。
・ドライバーセット
安いモノでも良いのですが手頃で高品質なものだとハゼット、トネ、KTC、ベッセル辺りが良いと思います。
・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。
・ベッセル プラスチックハンマー
安くて頑丈で長持ちします。サイズはコントロール、パワーのバランスで1ポンドがオススメです。
・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。
フレームの組み立て、カスタム
最初にトリガーをフレームに組み込んでいきます。

トリガーを変更したい場合はこのタイミングで変更します。基本的に東京マルイさんのM1911系統と互換性があるので社外トリガーの種類は豊富なので好きなモノを使いましょう。
トリガーとフレームの摺動部にグリスを塗ります。個々の部品は金属と樹脂の摺動なのでベルハンマー ゴールドグリス No.0を塗ります。


・ベルハンマー No.0 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.0は粘度が低いグリスです。私は基本的に樹脂パーツ同士、樹脂ー金属パーツにはNo.0を塗っています。
グリスを塗った部品をフレームに組み込みます(わからない方は分解編参照)。

次にインナーフレームの下処理をします。
当たりがキツそうな箇所がいくつかあったので研磨していきます。


リューターで研磨します。リューターを持っていない方は紙ヤスリで研磨しても効果があります。

研磨後のインナーフレームです。


同様にハンマーメカを抑えるプレートも研磨します。


研磨後です。


これで下準備は完了です。
・ドレメル ハイスピードロータリー4000
いつも使っているオススメリューターです。これがあるとDIY加工の幅が拡がります。人気機種で3000と4000がありますがツールもセットになってパワーがある4000がオススメです。
次にハンマーメカを組んでいきます。
組み込む部品は以下の写真の部品になります。

基本的に部品の摺動日にグリスを塗りながら組み立てて行きます。金属同士の摺動部なのでベルハンマー No.2を使います。
・ベルハンマー No.2 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.2はNo.0と同じ成分で粘度が硬めになります。私は基本的に金属ー金属パーツに使います。
最初にノッカースプリングとシアーピンをセットします。

ノッカーの組み込み。

ハンマーの組み込み。

シアーの組み込み

ハンマーメカを抑えるプレートを組んで行きます(下の写真は分解編の流用)。

残る部品のディスコネクターとノッカーリターン、ノッカーリターンスプリングに関してはインナーフレームをフレームに組むのと同時に組み立てます。

組付けイメージ


インナーフレームをフレームに入れます。
ノッカーリターンスプリングはどこかに飛んで行きやすいので失くさないように細心の注意を払って組みましょう。
ハンマーピンとシアーピンを入れて固定します。

最後に前側のネジ2か所を締めればインナーフレームは固定されます(写真は分解編の流用)。


これでハンマーメカの組み立ては完了です。
次にハンマースプリングハウジング周りを組んでいきます。ここでも部品は金属同士の摺動になるのでベルハンマー ゴールドグリス No.2を使います。

まずは板バネを下の写真のようにセットします。

次にハンマースプリングハウジングを取り付けてピンを打ち込みます(写真は分解編の流用)。

テール部の取付してから、ハンマーをコックしてサムセーフティを取り付けます。

残った部品のサムセーフティにクリック感を出す部品とグリップを取り付ければ完了です。

フレームの完成です。

スライドの組み立て、カスタム
まずはブローバックエンジンを組み立てて行きます。

まずはブリーチを見て行きます。
ブリーチを見るとアタリがキツい部分があるので研磨して行きます。

ここもリューターでバフを掛けて行きます。ここでもリューターを持っていない方は紙ヤスリでの研磨でも効果があります。

研磨後です。

次にノズルとブリーチを組んでいきます。ノズルは組む前にベルハンマー ゴールドグリス No.0を塗ります。

ノズルを組んだらノズルリターンスプリング、ピンを組んでいきます。

スライドに組む前にスライドの内側にノズルと当たる部分があるのでベルハンマーゴールドグリス No.0を塗ります。

下準備ができたのでブローバックエンジンをスライドに組みます。

スライドにレールを組み込んでネジを締めて固定します。

スライド後端のネジも締めればスライドの組み立て完了です。

これでスライドの完成です。

私の場合、いつもならアルミ製の軽量ブリーチを投入して作動性を向上させるのですがデトニクス用に良さそうなものがありませんでした。ナイロン製の軽量ブリーチは販売されているのですが耐久性観点が心配なので見送りです。
リアサイトの交換をする場合はこの工程での交換になります。
・GURDER スチールリアサイト デトニクス用
他にもいろいろな種類があるので気になる方は探してみて下さい。
バレルの組み立てとカスタム
まずはホップチャンバーを組み立てて行きます。

インナーバレル、ホップパッキンを交換する場合はこのタイミングで投入します。
デトニクスの場合はインナーバレル交換で性能はほとんど上がらないと思うのでドレスアップ観点で探す方が満足度が高いと思います。
インナーバレルにスプリングとブッシュを組みます。この部分は他の機種と順番が違って忘れがちなので注意して下さい。

ホップパッキンを組む前に気密取りのためにシリコングリスを塗ります。

ポイントとしては溝が埋まるくらいグリスを塗りこむと気密が取れます。
・AZ シリコングリス
定番のAZ社製です。東京マルイさんの純正グリスでも十分ですが量が少ないのでAZがおススメです。安いです。
次にホップパッキンを組んでシールテープを巻きます。

ここでのポイントは太く巻きすぎずに一周くらいの巻き数で問題ないです。
・カクダイ シールテープ
定番のカクダイです。
これで下準備ができたのでホップチャンバーを組みます(写真は省略)。
ホップチャンバーはアウターバレルと摺動する部分があるのでグリスを塗っておきます。ここはベルハンマー ゴールドグリス No.0です。


最後にアウターバレルを組んで完了です。

完成
スライドを完成させる前にリコイルスプリングにグリスを塗ります。ここは金属同士の摺動なのでベルハンマー ゴールドグリス No.2を使います。


スライドに部品を組む前に下の写真の部分はアウターバレルと摺動するのでグリスを塗ります。ここは樹脂-樹脂の組み合わせなのでベルハンマー ゴールドグリス No.0です。

ここでやっとスライドを完成させて下の写真の場所にグリスを塗ります。ここはフレームのハンマーメカ部と摺動の金属同士なのでベルハンマー ゴールドグリスNo.2を使います。

フレーム側のレール部は樹脂-金属なのでゴールドグリス No.0を塗ります。

スライドとフレームを結合して完成です。

折角なので説明書に書いてあるお手入れをして完成です。お手入れ内容はシリコンスプレーを表面に吹いて丁寧に吹きます。

ほんの少しだけ雰囲気が変わったかな?という感じすかね(あんまり変わらない気もする)。
・KSC ガンオイル
容量が大きくコスパが良いのでオススメのシリコンスプレーです。
性能確認
初速が上がるようなカスタムはしていませんが気密取りを実施しているので初速を計測していきます。
条件はHFC-134aを満タンに補充してマガジン表面温度22.8℃、室温18℃で18発装填(G&G バイオ弾0.2g)です。

ホップ量中央での初速です(0.2g適正くらい)。

箱出しの62.3m/sからは下がっていますが箱出し測定時の条件が良く高めの初速が出たようです。
2発目

そのまま撃ち続けて最後まで撃ち続けます。

ピークの初速は箱出しを越えられなかったモノの平均的に3~5m/sの上昇が達成できました。
気密取りだけにしてはまずまずの効果です。

燃費
測定前のガス満タン状態でのマガジン重量です。

1マガジン18発を撃った状態のマガジン重量です。

2.0gの消費で18発なので一発当たり0.11gの消費で箱出しの0.14gに対してかなり向上しました。
ガス満タンでどのくらい撃てるか計算すると空のマガジン重量が153.0gで満タン時が158.0gなのでガスの量は5gです。1発当たりの消費は0.11gなので理論上は45発なので余裕をもってマガジン2本分(36発)以上、撃てるようになりました。
最後に作動の動画です(1マガジン撃ち切り後の状態)。
東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター 空撃ち カスタム 動画
なかなかのキレが出たんじゃないでしょうか?
東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター 空撃ち ノーマル 動画
・G&G バイオ弾 0.2g
安くて精度が良いので性能確認からサバゲーまで広く使っています。日本に入ってきた頃から使ってるお気に入りです(2008年くらい)。バイオの割に日持ちします
・G&G バイオ弾 0.25g
0.25gです。基本は0.25gでサバゲーしています。
まとめ

カスタム結果として初速のピークは変わりませんでしたが1マガジン分の初速測定で平均が3~5m/sの向上、燃費が0.14gから0.11gと性能の向上が図れました。箱出しでの性能ががかなり高かったのでほとんど変わらないと思いましたが意外と効果がありました。
今回は社外パーツの組み込みは見送りましたが基本的に全バラしての組み立てを解説しているのでもし興味がある社外パーツがある場合は組み込みの参考になると思います。
また今回のカスタムは古くなった、使い込んだ状態の個体でやるとリフレッシュとなりかなりの効果が見込めると思います。
手間は掛かりますがやった分だけ効果があるのでもし良ければ参考にしてみて下さい。
以上、東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスターのカスタムでした。
・東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター ブラック
カスタムしたモデルです。
・東京マルイ デトニクス.45 コンバットマスター ステンレスモデル
実物のリアルさから考えるとステンレス+ブラスト仕上げでステンレスモデルのが雰囲気が出ていると思います。
・東京マルイ デトニクス.45 スペアマガジン
一本くらいはあるとマグチェンジができてより楽しめます。
アニメとのタイアップも意外と在庫があるので探してみると良いと思います。
2025年の私の調査で転売価格ではなく定価以下程度で購入できるリンクを調査しました。
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