今年の正月頃に電車でサバゲーに行きやすいサブマシンガンを探していたところ、フォートレスさんの正月セールで5万円ちょいでクリスベクターが売っていたので買ってしまいました。
本当はVFCのMP7の電動ガンを狙っていたのですが、市場に在庫がないこと、内部が独自規格部品が多いみたいなのでベクターにしちゃいました。
折角なのでクリスベクターの箱だしレビューをして行きます。
外観と箱出し実射性能
外観
まずは外観ですがたくさんの方がレビューしてますので軽めに紹介します。
実銃のことはまあいいでしょう。
ちなみに輸入ロットは2020年6月のようです。最近のKRYTAC ベクターの品質の参考にしてください。

逆

正規代理店販売証です、2020年6月5日発行ですね。

サイトピクチャー
次にサイトピクチャー

可倒式の2段階サイトです。
可変ホップ部は廃莢ポートカバー内にロータリー式ダイヤルになります。

セレクターです。アンビになっています。

ストックを折り畳むとかなりコンパクトになります。

外観は特に初期ロットと変わらないようです。
実射性能確認
実射します。
試射条件はHOPは目盛り0で、ETー1 REDLINE 1300mAhリポバッテリーで保管モード7.67Vで弾は東京マルイ0.2gバイオBB弾になります。

初速81.57m/s サイクル13.8発/秒でした。
調べた感じ他の個体と同じような数字でした。
セミでいくつか計測しましたが78〜85m/sとかなり安定しません。
また本ロット製品にはセーフティに入れてスプリングを開放する機能はオミットされていました。さらにセミオートのキレはあまり良くなくバネ鳴り、ギヤ鳴りも盛大なものでした。
FETの性能が良すぎるのかセミで素早くトリガーを引くと弾が発射する前に通電がカットされてしまいウイっと音が鳴るだけで発射されないこともあります。
トリガーのストロークに関してですが重い、長いと言われていますが私はあまり不満には感じませんでした。
私はすぐにカスタムするのでこの辺はあまり気にしませんが参考にしてみて下さい。
初速計のレビューも良かったら覗いて見て下さい。

分解
さっそく分解します。
まず写真の矢印にピンを抜きます。


ストックピンです。後でもいいのですがストックもピンを抜いて外します。

ピンが抜ければアッパー部とロアー部に分割できます。

ロアーの写真は撮り忘れていました。すいません。
次にロアー部を分解していきます。
・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。
・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。
・ベッセル プラスチックハンマー
安くて頑丈で長持ちします。サイズはコントロール、パワーのバランスで1ポンドがオススメです。
ロアー分解
ロアーの分解に入ります。
まず写真の矢印の六角ボルトを外します。サイドレールと赤丸部のボルトリリースレバーassyも外します。


ライラクスさんの改造防止ピンも外します。シールの中にボルトが隠れているので外してピンを抜きます。

ピンを抜くとメインスプリングが出てきます。勢いよく出てくるので気を付けてください。

取り外したスプリングです。後で取り外したしたモーターが写っていますがこの段階では作業上取り外していません。

スプリングは不等ピッチタイプでかなり短めです。この短さが作動時のバネ鳴りの大きな原因だと思います。
チャージングレバーの前方についているバネがついているボルトも外します。

そうすればガバッとカバーが外れます。

・ドライバーセット
安いモノでも良いのですが手頃で高品質なものだとハゼット、トネ、KTC、ベッセル辺りが良いと思います。
メカボックス分解
メカボックス分解に入ります。
まずチャージングレバーを外します。チャージングレバーは上下のプレートでレバーが固定されていますのでボルトを外します。写真ではカバーがまだ付いていますが気にしないで下さい、単純に私が順番を間違えました。


上側のプレートのボルトが長いボルトで下側のプレートは短いボルトです。
次にバレルを外します。バレルは片側2本ずつ両側4本で止まっているので外します。


ボルトを外せばバレルが前方に抜けます。ちなみにバレルは本体にガッチリついててガタ等がなく良いつくりだと思います。
次にタペットのリンクプレートを外します。このプレートはただハマっているだけなので簡単に取れます。

もしかしたらここまでの工程で外れていることもあるかと思いますので紛失に注意してください。
次にモーターを外します。
ボルト2本でモーターホルダーが止まっています。ネジとホルダーを外せばモーターが簡単に外れます。

モーターホルダーの向きとボルトの組み合わせ(左右でネジ長さが異なる)に注意してください。

取り出したモーターです。

このモーターが回転数が低すぎるとレスポンスが悪いです。要交換です。
次にセクターの回転検知をしているスイッチのリンクプレートを外します。

リンクプレートの2本のネジを外します。

最後にメカボックスに残ったボルト(プラスネジ)を8本?くらい外せばメカボックスが分解できます。同時にメカボックス内部の部品も取り外します。外した写真しかありません。申し訳ありません。


基盤部はめんどくさくて外しませんでした。
メカボックスはアルミの塊でかなり剛性がありそうです。多くのボルト(8本くらい)で締結されているので組み付け剛性も良さそうでハードなチューンにも耐えられそうな感じがします。
軸受は8mmのラジアルボールベアリングでした。過去のロッドではメタルブッシュだったこともあるそうです。
モーターの配線の太さは1.25sqで通電効率は良さそうです。
中の部品を見て行きます。
ギヤです。

ギヤは全て鉄製でベベルのラッチは6個ついています。残念ながらスパーのシムは悪名高きスプリングシムでした。
シリンダです。


シリンダは真鍮製で加速ポートがかなり前よりです。バレルが短いのでエア容量少なめですね。かなり容量が少ない加速シリンダです。
ノズルです。


意外とシーリングノズルではありませんでした。ノズルは意外に樹脂製でエアシーのようなO-リングなしでした。全長は21.15mmです。
他の部品は写真を撮り忘れたので気になる部品をいくつか述べてみます。
ピストンはハーフメタルでピストンリリース側から何歯かが金属になっているタイプです。ピストンヘッドは後方排気タイプで8穴?でした。
シリンダヘッドはピストン当たり面がゴムでパイプが斜めについている専用部品でした。シリンダとの取り付け部は、ダブルO-リングで気密もバッチリです。
タペット関連もかなり肉厚で剛性がありそうです。タペットスプリングはかなり強めでした。おそらく複雑なタペット構造をしているため確実に作動させるためだと思います。
ちなみに本ロットにはスパーをリリースさせるレバーみたいのは付いていませんでした。
全体的にメカボックス内はかなりいい部品が組み込まれており品質も高そうですが、日本仕様の短いメインスプリングとモーターのせいで台無しにしている感じでした。
その辺りを踏まえてなるべく純正部品を利用しながらカスタムします。
これでメカボックスの分解が完了です。
アッパーの分解
次にアッパーの分解に行きます。

まずトップレールを外すのですが固くハマっているので私はM4のキャリングハンドルを取り付けて前方にプラスチックハンマーで叩きます。

キャリハンをプラハンで軽く叩くと取り外せます。

次に廃莢ポートを外します。
アッパーの左側に六角ボルト2本で外せます。写真は撮り忘れました。
次にトップレールに隠れていたボルトを外します。

前側に小さいネジが一本あるので忘れずに外して下さい。

次にセレクターレバーとセーフティレバーを外します。六角ボルトを外します。
そうすればトリガー部が前方に抜けます。

横から見るとトリガーピンがあります。

トリガーはピンで刺さっているだけなのでポンチとプラハンで叩けば取れます。
トリガースプリングは巻きバネではなく普通のコイルスプリングでしたが、スプリングが曲がって付いていました。残念です。
これでアッパーの分解は終わりです。
チャンバー部
チャンバーはアウターバレルを抜いた時点で外れます。

アウターバレルにしっかりと固定される構造でかなり良い感じです。
インナーバレル先端は軽くテーパー仕上げでブレ止めのo-リングも付いています。

ホップチャンバーはドラムタイプでした。

ホップパッキンの突起の形状は2又タイプでした。

これでほぼ全部、分解できました。
まとめ
最後に全体的な感想です。
電動ガンとして高価な価格帯なので外観の品質、使われている部品はかなりレベルが高いと思います。組み付けに関しても基本的に丁寧ですが所々に残念なポイントが見られます。
設計に関してもかなり工夫が見られて独特な機構、剛性が高くなるような配慮が見られます。
さらに私にとってはセーフティ時のスプリングリリース機構は入らなかったのでオミットされているのはラッキーでした。
性能は0.2gで初速81.57m/sがサイクル13.8発/秒で悪いとは言えませんが良いとも言えません。初速、サイクル以外にも初速のバラツキ、FETの割にはレスポンスが悪い、作動時のバネ鳴り、ギヤノイズなどの異音が気になります。
おそらくですが原因は純正モーターと日本仕様のスプリングが悪さをしていると思います。
個人的な見解ですが箱出しで使えないことはないが気持ち良く使うならカスタムが必要な印象です。
これらの観点を踏まえてカスタムして行きます。
では次回はカスタム編になります。

・KRYTAC クリスベクター ブラック
カスタムのポテンシャルは高いと思います。
・KRYTAC クリスベクター FDE
色違いです。
・KRYTAC クリスベクター 2トーンカラー
個人的にこのカラーが好きです。
・クリスベクター 95連マガジン
96発ほど入るスプリング式マガジンです。
・クリスベクター 95連マガジン3本パック
専用の多弾マグが存在しないのでこれがお得です。3本+1本(本体付属)で計400発くらいもてるのでサバゲーで十分すぎると思います。
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