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Kazubara
サイト管理人
自動車メーカーの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計の技術を伝授します。仕事などのご依頼は下のお問い合わせボタンからご連絡下さい。

KSC ベレッタ M9 HW SYSTEM7 分解メンテナンス(M92F)

KSC M9 HW system7 分解とメンテナンス

前回はKSC M9 HW システム7のオーバーホールということでホップパッキンの交換をしました。

今回はブローバックエンジンとフレームの可動部品を分解、清掃、グリスアップしメンテナンスをしていきます。今回の内容も無理に自分で実施しなくても、KSCさんに頼めば有料ですが実施してくれるはずです。

前回でアウターバレル周りはオーバーホールができたので残ったスライドの部品を分解していきます。

目次

ブローバックエンジンの分解

まずは右側のデコッキングレバーを外します。

写真の六角ネジを外します。デコッキングを頻繁にする方はここのネジが緩むので頻繁にチェックしておくと良いと思います。

KSC M9 HW system7 デコキングレバーのネジを外す

ネジを外すと右側のデコッキングレバーが外れます。

KSC M9 HW system7 右側のデコッキングレバーを外す

次に左側のデコキングレバーをデコッキングさせる反対側に回します。

KSC M9 HW system7 デコキングレバーを回す

回すとピンが出てくるので、ピンの紛失に注意しながらデコキングレバーを引張って外します。

KSC M9 HW system7 デコキングレバーを引っ張る

この時に写真の位置にピンとスプリングが残るので無くさないように注意してください。

KSC M9 HW system7 デコッキング用ピン
KSC M9 HW system7 デコッキング用ピン
KSC M9 HW system7 デコッキングスプリング
KSC M9 HW system7 デコッキングスプリング

これでブリーチをスライドに固定しているものは無く、スライドに嵌っているだけなのでブローバックエンジンが取り出せます。

KSC M9 HW system7 ブローバックエンジン

見た感じでは普通の負圧式のブローバックエンジンです。東京マルイさんと比較するとノズルリターンスプリングの荷重が高めの設定になっています。

裏側です。

KSC M9 HW system7 ブローバックエンジン裏側

ここからノズルを外してみます。

KSC M9 HW system7 ノズルの取り外し

ピストンカップがオレンジ色でシステム7の売りである15mmの直径になっています。

さらにノズルを分解します。

 KSC M9 HW system7 ノズルの分解

フローバルブの形状がかなり工夫されています。形状を見る感じでは弾の発射側にガスが多く行きそうな形状です。またフローバルブが小さく軽量なので発射とブローバックのガスルート切り替えも素早く行えそうな感じがします。

デコッキング、ブローバックエンジン部品の全体写真です。

KSC M9 HW system7 ブローバックエンジン周りの部品

ここまで分解したらいつものベルハンマー ゴールドグリス No.0を全ての可動部品に塗布して組み立てて終わりです(逆の手順で組めます)。

考え方によるのですが私はノズル内にもグリスを塗るタイプです(箱出しだとグリス無し)。私の職業のクセで可動部品に潤滑が無いのはちょっと受け入れられないので作動を阻害しない量を塗ります。

・ベルハンマー No.0 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.0は粘度が低いグリスです。私は基本的に樹脂パーツ同士、樹脂ー金属パーツにはNo.0を塗っています。

もしガスブロの作動原理に興味がある方は解説記事を書いたので良かったら覗いてください。

トリガー、ハンマー部のメンテナンス

次にトリガー、ハンマー部をメンテナンスしていきます。

まずはグリップパネルのネジだけを外します。まだグリップは外さない方が良いと思います。

KSC M9 HW system7 グリップスクリューの取り外し

反対側も同様に外してください。

次にフィールドストリップさせる時に押すボタンを押したままにして下さい。

KSC M9 HW system7 スライド分解ボタンを押す

押したまま反対側にあるテイクダウンラッチをいつものフィールドストリップをする時に回す方向と反対側に回します。

KSC M9 HW system7 スライド分解レバーを反時計回りに回す

回すと次の写真のようになりピンとテイクダウンラッチが外れます。

KSC M9 HW system7 テイクダウンピンを抜く

ここで取り外せる部品は次の部品です。

KSC M9 HW system7 テイクダウンレバー部品

右手でボタンを押しっぱなしになることをお願いした理由はボタンがスプリングで飛んでいってしまうからです。下手すると失くすので注意して下さい。

次に写真のトリガー近くにあるピンを抜きます。

KSC M9 HW system7 トリガーピンを抜く

ピンを抜いてもトリガーグループを外すことを我慢していただいてグリップを外します。

グリップを外した右側にトリガーバーを抑えているバネがあるので外してください。

KSC M9 HW system7 グリップパネルを外す

これでトリガー周り一式が取り外せます。

KSC M9 HW system7 トリガー部品

この分解したトリガー周りは汚れを掃除してベルハンマー ゴールドグリスNo.2を塗ります。

・ベルハンマー No.2 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.2はNo.0と同じ成分で粘度が硬めになります。私は基本的に金属ー金属パーツに使います。

次にハンマー周りを見ていきます。

特に分解を進めなくても機構にアクセスできたのでこのまま洗浄、グリスアップを行います。

KSC M9 HW system7 ハンマーメカ

ちなみにKSCさんの多くのガスブロのハンマー周り部品は亜鉛のダイキャストではなく、おそらくですが鉄系の焼結で製造されているのでとても頑丈で精度が良いです。

焼結とは材料である金属粉(鉄粉)に接着剤成分を入れた材料を型に入れて焼き固める製法です。一般的にダイキャストより丈夫で鍛造未満って感じです。さらに精度が高めにできる製法で一般的に高級な製造方法です。

実物にも良く使われる製法でアメリカなんかは1900年頃のリボルバーのハンマー、トリガー周りは小結で作っていたようです。流石、工業先進国のアメリカですね(最近は削りが多いと思います)。

KSC M9 HW system7 ハンマーメカの洗浄とグリスアップ

後は丁寧に逆の手順で組んで完成です。

グリスアップ、組み立て途中

KSC M9 HW system7 ハンマーメカグリスアップ

もし興味がありましたらガスブロのハンマー、トリガー周りのメカニズムを解説しているので覗いてみてください。ただし題材はM9のハンマー式ダブルアクションと異なりグロックのような内蔵式ハンマーで解説しています。

実射性能確認

実射性能確認ですが、基本的にオーバーホールをしただけなので見違えるような性能差はありませんが確認します。

まず、いつも通りマガジンにガスHFC-134aを満タンにして表面温度を約30℃、室温20℃で測定します。

KSC M9 HW system7 OH済 マガジン表面温度

弾はG&G 0.2gバイオ弾でホップは目盛り最小で確認です。

KSC M9 HW system7 OH済み 初速測定、ホップ最小の0.2gで94.03m/s

マガジンの温度が少し高めですがSTD電動ガン並みの初速が出て調子が良いです。

このまま装弾数を全弾、撃っていきますとおよそ77m/sくらいで落ち着きます。

初速計のレビューも良かったら覗いて見て下さい。

次に作動の様子です。動画です。

KSC M9  HW   system7  OH済み

よく動いてくれています。

実は私はKSC M9のABSスライドも持っているので参考までにABSスライドでの動きも撮影してみました。

KSC M9 HW system7 HWとABSスライド

KSC  M9  ABS  system7  OH済み

弱めのCO2ガスブロ並みです。HWの重みのあるリコイルも良いのですがABSのキレのあるスピード感のあるリコイルもかなり好みです。

実際にサバゲーで使う場合では速射性、燃費面からABSの軽いスライドのが有利だと思います。

ただし私の経験ですがKSCさんのガスブロハンドガンのABSスライドの動きは最高なのですが、動きが良すぎて割れることがあります。私が持っていたので割れたのはHK45、CZ75のABSスライドです(HWは割れません)。

今回のM9に限っては形状からスライドが頑丈で、KSCさんで良く言われるノッチ削れもM9特有の形状からか全然、大丈夫です。

とはいえABSスライドが販売されていないですが(切実に販売して欲しいです)。

参考までに重量比較です。

KSC M9 HW system7 HWスライド重量
KSC M9 HW system7 HWスライド重量
KSC M9 HW system7 ABSスライド重量
KSC M9 HW system7 ABSスライド重量

ABSは55.5gも軽くHW基準で25%近くも軽いです。

逆に言うと236.5gもあってもキビキビ動くブローバックエンジンが凄いとも言えます。

・G&G バイオ弾 0.2g
安くて精度が良いので性能確認からサバゲーまで広く使っています。日本に入ってきた頃から使ってるお気に入りです(2008年くらい)。バイオの割に日持ちします

・G&G バイオ弾 0.25g
0.25gです。基本は0.25gでサバゲーしています。

まとめ

KSC M9 HW system7 分解とメンテナンス

まとめるとたいした手間暇とお金が掛からずに良くなるのでお勧めです(持っている人が少ないから需要がないかな?)。

逆に言うとKSCさんのM9は基本メンテで10年以上持つし、簡単な整備でさらに長持ちするので非常に良い物だと思います。M9好きならKSCさんのM9 HW system7が決定版でお勧めです。

最後にKSCさん、お願いですからABSスライド版も売ってください。

以上、お付き合いありがとうございました。

KSC M9 HW システム7
M9の決定版です。

スペアマガジン
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KSC M9 HW system7 分解とメンテナンス

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは拝見させていただきました。

    質問なのですが、リターンスプリングは接着されているようですがここ外すときと戻すときはどうされましたか?

    ご教示いただけましたら幸いです。

    • 中村淳一様

      コメントありがとうございます&返信が遅くなり申し訳ありません。

      リターンスプリングの取り外しは細いマイナスドライバーとラジオペンチで丁寧に外しました。戻す時には再度、ロックタイトのハケ付き瞬間接着剤(サイト内の別ページで紹介)で接着しました。

      あまりお勧めできる方法ではありませんが参考になれば幸いです。

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