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自動車メーカーの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計の技術を伝授します。仕事などのご依頼は下のお問い合わせボタンからご連絡下さい。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レビュー

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レビュー

今回はSOTAC社製のC-MORE ドットサイトのレプリカ品のレビューです。

元になった実物のC-MORE RAILWAYというドットサイトの設計、構造が非常に優秀が故に中華のレプリカ品も優秀なものが多いというちょっと皮肉なモデルです(しかもそこそこ安い、本製品は実勢で5000円くらい)。

C-MORE RAILWAY ドットサイトは少し前のアメリカでの定番ドットサイトでオープンタイプのデザインでドットが見易い、オープンタイプの割に頑丈、比較的軽いことからシューティングマッチ等(ISPC)の競技分野で多くの人に使われていた有名なサイトです(ハンドガン、ライフルのどちらでも使われている)。

日本でもスピードシューティングなどの競技では多くの人が使っていた印象があります。特にハンドガンで非常に大きイメージです。最近ではハンドガンのスライドに直付けできるサイトが出てきて見かけることが減ってきましたがベストセラーなだけあって今でも使いやすいサイトです。

ここまでは実物の話でSOTAC製のレプリカはどうなのか見て行きましょう。

目次

箱と内容物

外箱です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 箱

以前に紹介したSRO ドットサイトレプリカと同じプラスチックのコンテナが外箱になっています。記載されている情報は本体の色と製品の本体の説明が簡単に書いてあります。

開封してみます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 箱

かなり適当な感じで入ってました。

中身を取り出して内容物を確認して行きます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 内容物
内容物一覧

・本体

・クロス(クリーナー)

・ドライバー

・樹脂パーツ

・六角レンチ 3本

・レンズフード

・電池LR44 2個

なかなか豪華な内容で良いと感じですが重要な説明書が付属されていません。流石の中華レプリカです。折角の機会なので各付属品や本体の使い方も解説して行きます。

もし購入された方で内容物の過不足が気になる方は参考にしてみて下さい。ただし中華レプリカですので内容物が頻繁に変更されることが多いので注意して下さい。

外観

本体の外観、質感を見て行きます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 後方からの全容
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 全容前方

前後左右上下と少し細かく見ていきましょう。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 前面

頑丈そうなフレームの中にレンズが入っていることがわかります。対物側のレンズ表面は赤色に反射しているのでおそらくルビーコーティングが施されていると思われます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 背面

接眼側のレンズ表面は少し青みを感じます。レンズに関しては後に詳しく書きます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 左側面

本体左側面には何もなくのっぺりとしています。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 右側面

右速側面にドット位置の左右調整ネジ(ヴィンテージ調整)があります。流石の中華レプリカで堂々とC-MOREのリアルなロゴがモールドされています。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 上面

本体上面はドット位置の上下調整ネジ(エレベーション)、レーザーユニット、電源スイッチ(ドット輝度レベル調整)があります。基本的に操作系は上からアクセスレイアウトになっています。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 下面

レール部分は金属製です。

全体的な質感は本体が樹脂、塗装無しの整形色なので高級感は全くありません。ただ実物のC-MORE RAILWAYも強化プラスチックでできているのでかなり似たような感じだと思います(写真で見た感じ)。

形状はC-MORE RAILWAYを忠実に模していて実物同様にかなりゴツい感じです。特にレンズを覆うフレームはかなり太いです。実物同様に高い耐久性が期待できそうです。

次に具体的な大きさを見て行きます。

大まかなサイズ感を把握するために手の平に乗せてみます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ サイズ感

具体的な主要寸法です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 主要寸法1
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 主要寸法2

今となっては少し大柄に感じるサイズです。

重量です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 重量

116gでそれなりの重量感を感じます。

ここからは付属品を本体に装着させて行きます。

本体に装着させられる付属品は以下の3つです。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 付属品

1個ずつ見て行きましょう。

フードの取り付けです。下の写真のように強引に嵌め込みます。ツバが短い方が前になります。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ フードの取り付け
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ フード取り付けの完成

光反射防止板を取り付けます。この板も下の写真のように強引に取り付けます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 光反射防止板の取り付け
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 光反射防止板の取り付け完了

最後にLEDカバーを取り付けます。最初についている平たいカバーを外して取り替えます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDカバー取り付け
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDカバー取り付け完了

付属品を全部取り付けた状態です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 付属品取り付け完了

かなり実用的なアクセサリーでフード、反射板のおかげでドットはかなり見易いのですがちょっとダサい感じがするのが難点です。

スライリング観点から私はLEDカバーだけを採用することにします。

電池交換、操作方法

箱出し状態では電池が本体に入っていないので電池を入れる作業を紹介していきます。

まずは付属の六角レンチで電源ボックスを開けていきます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電池カバーの取り外し

電池は付属のLR44を入れます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電池の取り付け

電池ボックスのスペースが狭くて電池を入れるのにかなり苦労するので注意して下さい。本当に入るのかと疑問に思うほどキツイので無理やり入れます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電池を入れるコツ

電池を外すときは付属のドライバーを使って外します。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電池の取り外し方法

次に各操作部を見て行きます。

電源スイッチです。今時、珍しいローターリースイッチです。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電源スイッチ

選択できるドットの輝度レベルは0〜9です。回した感触はクリック感がないので可変抵抗を使っているのでしょう。

次にドットの上下調整(エレベーション)、左右調整(ヴィンテーション)を見て行きます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット位置上下調整
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット位置左右調整

上下左右共にネジを回してもクリック感は全くありません。実物のコンセプトが射撃の正確性であること、クリック感を出すことが難しい構造のためです。

また付属のドライバーでネジを回すのは厳しいので別途ドライバーがあった方がいいです。

分解

行けるところまで分解したので中身を見ながら構造を解説して行きます。

まずは電池カバー下にあるカバーを外します。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDカバーの取り外し

カバーを外した状態です。LEDユニットは刺さっているだけなので外せます(驚き)。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDユニットの取り外し

外したLEDユニットは8ピンのソケットでした。電子工作が得意な人は簡単に改造できそうです。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDユニット 正面
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDユニット 側面

LEDユニットが入っていた穴の中には抵抗が入ってます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ LEDソケット内の抵抗

さらに分解を進めます。レールマウントと繋がっているネジを外します(電池は外しておいて下さい)。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レールマウントの取り外し

レールマウントが分割された状態です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 基盤カバーの取り外し

さらに分解を進めて電子基盤を取り出しました。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 本体と基盤

電子基盤を見るとかなり初歩的な内容です。子供用のLEDチャレンジキットのような感じです。基盤のハンダは悪くないレベルの品質でしょうか。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電気基板表
SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 電気基板後側

結局、完全に分解できました。ここまで付属する工具で分解できるのが面白いです。日本の会社のエンジニアの私の感覚ではお客さんにはなるべく分解して欲しくないので余計な工具は入れない、マニュアルで触らないように注意するので信じられません。

ここでドットの位置調整機構を見て行きましょう。

上下調整ネジはレンズを直接、上下に動かす仕組みです。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット位置上下調整メカニズム

左右調整機構はブロックを通じてレンズを左右に動かす仕組みです。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット位置左右調整機構1

このレンズを直接、動かす機構がC-MORE RAILWAYの大きな特徴です。

一般的なドットサイトでは光源であるLEDを限られたスペースの中で動かすので稼働領域が狭くなります。そのためにドットの調整範囲が狭くなりがち、調整量に対しドットが大きく動くので精密さが得られにくいです。

それに対しC-MOREはレンズを直接、動かす機構のおかげでゆとりあるスペースに調整機構を設置できるのでドット調整範囲が大きい、調整量を細かく刻めるので精密さが得られるメリットがあります。

勿論、このレプリカ品もしっかりと特性を受け継いでいるのでゼロイン、正確さの性能は高いです。

デメリットとしてはドットサイト自体が大柄になること、オープンタイプにしか採用できない構造になってます。

レンズ、ドットの見え方

まずはドットを点灯させない状態のレンズを見てみましょう。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レンズの見え方のチェック

若干の青みを感じますがクリアな視界です。青みに関しては炎天下だと青い方がドットが見えやすいので一概に悪いとは言えなく好みになります。

レンズの歪みを見て行きます。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レンズの歪みチェック

酷い歪みは見当たりません。ドットサイトだと歪んでいるものは少ないのでこの製品に限らずあまり気にしなくて良いかもしれません。

レンズの寸法です。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ レンズの寸法

まずまずの大きさで見やすいと思います。

実際にドットを点灯させてみます。ドットの輝度レベルは1〜9の無段階調整(可変抵抗)なので代表的な1、5、9をみて行きます。

レベル1

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット輝度レベル1

レベル5

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット輝度レベル5

レベル9

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット輝度レベル9

それぞれの輝度レベルで明確な違いがあるのでまずまず優秀だと思います。ドット自体は私の目が乱視であることも原因ですが滲みます(写真では出ない)。ただこれに限らず多くの機種で同じなのと実用上はそこまで問題になりません。

次にドットを上下左右に振って行きます。

上振り

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット上振り

下振り

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット下振り

左振り

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット左振り

右振り

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ ドット右振り

上下左右でドットが見切れることが無く優秀です。ドットの見切れとは関係ありませんがレンズへの写り込みが少し気になります。

最後に屋外でドットを見て行きます(輝度レベルMAX)。

SOTAC C-MORE ドットサイト レプリカ 屋外でのドット点灯

なかなかいい感じです。光学性能は全体的に高性能なのですがレンズへの写り込みが少しあるのでそこだけが残念です。

まとめ

全体として実物のC-MORE RAILWAYをかなり再現していて実物が持つ構造のアドバンテージをそのまま再現しているように感じました。

ポイントとしては

・レンズを動かす独特の構造からゼロイン幅が大きい。精密にドットを動かせる。

・ボディが大きい、構造がシンプルなので頑丈(実物と違って耐水はダメです)。

・オープンタイプかつレンズが大柄で見易い

・付属品も多く価格が安い(5000円前後)

になります。

残念なポイントはレンズへの映り込み、電池が入れづらいことくらいです。デザインが古くさい、大きめであることは実物ゆずりなので仕方がないと思います。

古くさいデザインですがシューティングマッチの競技や官公庁(法執行機関)での採用が多かったのでハンドガンからAR系全般に似合うと思います。またゴツさがロシア系サイトに似ているのでAK系も似合うと思います。

デザインさえ納得できればオススメできます。

今回はSOTAC製のレビューですがC-MORE RAILWAYレプリカは実物の良さを受け継ぐモデルが多いのでSOTAC製以外でもそこそこ使えるので試してみるのもアリだと思います。

以上、お付き合いありがとうございました。

・SOTAC C-MOREタイプ ドットサイト
さまざまなカラーがあるので良かったら探して見て下さい。

他にもドットサイトをレビューしているので興味があれば是非!!

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