Amazonで販売されている激安ドットサイト Sutekusu 4MOA ドットサイトをレビューして行きます。
私の記憶では5~6年くらい前からAmazonで激安価格(3000円以下)でいくつかの光学機器が販売されているのを見かけてSutekusuというブランドを目にすることが多くかなり気になっていました。
今回は”sutekusuってなんだ”というところから調べながらドットサイトレビューして行きます。
Sutekusu
Sutekusuとは”スーテクス”と呼ぶブランドのことのようで株式会社東海という日本の会社が運営しているブランドのようです。

大変、失礼な話ですが私はてっきりエアガン業界にありがちなよくわからない経緯で日本に入ってきた中国製品の一つかと思っていました。
もう少し詳しく調べてみるとお手頃価格のテントや寝袋を展開するNaturehikeブランド、中国のアウトドアブランドMOBIGARDENの展開、樹脂製品を成型する射出成型機の設置や検査機器を展開するHABOBestがあるようです。
いずれの分野もコスパが優れる中国製品の輸入販売で割と評判が良くかなり知られているようです(特にキャンプなどのアウトドア製品)。
そんな顔ぶれの中、サバイバルゲーム用品を手頃な価格で展開するSutekusuがあるようです。

私の知る範囲ではドットサイトくらいしか知らなかったのですが調べてみるとBDU、ブーツからガンケース、マグプル CTR対応ストックなどそこそこの品揃えでした(いずれも驚くような低価格)。
Sutekusブランドのサバゲーグッズの例
私は知らずのうちにCTRストックを愛用していました。
私の知識不足かも知れませんがミリタリー、サバイバルゲーム界隈で浸透しているブランドの感覚はなくミリタリー、サバイバルゲーム界隈でよくある怪しいモノではありませんでした(大変、失礼しました)。
怪しいどころか日本の株志柿会社が運営、製品によっては一年保証があるようなしっかりとした体制のある製品なので安心して購入、使用ができるブランドでした(そこそこ有名なブランドよりしっかりしているかもしれない)。
開封
今回は数年前に購入してそのまま寝かしておいたモノなので最新のモノと少し違うかもしれませんが販売サイトで確認する限りほとんど同じだと思います。
まずは外箱です。

なかなかシンプルながら高級感のある外箱です。
開封して中身を確認していきます。

・本体
・クリーニングクロス
・電池CR2032
・六角レンチ
基本的に付属物だけで使えるセットになっています。後に詳しく触れますがドットの位置調整にはマイナスドライバーかコインなどが必要なので厳密にいえば他に用意するものが必要になってきます。
販売サイトによると最新のモノは日本語説明書も付属するようです。
梱包で個人的に気になった点は価格がとても安いにも関わらずかなり丁寧でした。
外観
外観は正面(対物レンズ)から見て行きましょう。


直径28mmくらいの対物レンズになっています。対物レンズのコーティングは銀色になっています。レンズに関しては詳しくは後述します。
対眼レンズです。


対眼レンズはかなりクリヤな色合いに見えます。詳細は後述します。
上面です。

材質はアルミです。
操作系(上下左右調整、電源)が全て見えます。レールマウントは6点締め付けのかなりゴツイものが装着されています。
下面です。

レール接続部分は定番の大きな六角ナットになっています。
左側です。

マウントの高さはミドルタイプになります。
右側です。

大きな電源ダイヤルが見えます。
全体的なサイズ感を見るために手のひらに乗せてみました。

そこそこ大きなサイズです。
具体的な寸法です。

チューブ系は30mmでチューブ型ドットサイトでよくある径ですのでマウントを変更したい場合は対応品が多いと思います。
重量です。

275.5gとそこそこ重いです。
全体的に大柄なサイズで重めになっています。外観形状はaimpoint M3とかなり良く似ています。時代的にはイラク戦争、アフガニスタン戦争前期でよく使われていたので報道写真、報道動画で見たことがある方が多いタイプになっていると思います(aimpoint M3とACOGが標準採用、現在はaimpoint M4)。
なので特殊部隊仕様ではない一般兵がもつような三角のガスブロックが付いているM4系にマッチする形状だと思います。
仕組みと機能
仕組みや内部構造を確認するために分解を試みたのですが下記写真のような特殊なリングネジが使われているので諦めました。


上記のようなリングネジなので故障の際に修理するには工夫が必要です。ただ本体が3000円未満であること、かなりゴツクできているので分解する必要が出るシーンはほとんどないと思います。
分解しなくても仕組みが分かったので解説します。

発光ユニットがリング状の部品についており、リングはスプリングと上下、左右調整ネジで支えられています。上下、左右のネジを回すとリングが移動することによってドットの位置が変わる仕組みです。
解説無しの写真も下に載せるので見比べてみて下さい。

私の経験上ですがこの形式(チューブ形状)はドットの調整幅が構造上、大きめに取れるので安物のドットサイトでもゼロインができないというようなトラブルは少なめになります。ゼロインがきつくなる形状としては小型のタイプ、特にEotech形状のレプリカは構造上、上下幅が少なく厳しいので注意が必要です(本物は仕組みからして全く違う)。
キャップを外して電池を入れて行きます。

キャップは電源を兼ねています。
キャップにはO-リングが付いていて防水できそうな構造ですがメーカーが防水と謳っていないので水は避けた方が良さそうです。ただし日本のサバゲーで雨の中で遊ぶ人はかなり少ないと思うので問題ではないでしょう(電動ガンがダメになる)。
上下左右調整ダイヤルです。


どちらもキャップが防水を兼ねた蓋紛失防止用のゴムバンドが付いているのはありがたいです。
調整にマイナスドライバーかコインが必要です。どちらもネジを回すとクリック感がありかなり調整しやすそうです。
一応、目盛りが付いていておそらくミルを表しているのでしょうが低価格品なので当てにはできないと思います。
レンズとドットの見え方
まずは対物レンズを見て行きましょう。

レンズのコーティングは銀色のコーティングになっていて反射防止を狙っているようです。対物レンズの径は28mmです。
対眼レンズです。

かなり透明です。多くのドットサイトでは対眼レンズは青いコーティングが施されていて赤色が透過しやすくなっており強い日差しの炎天下(砂漠など)の環境でもドットが見えやすいようになっていますが本製品にはそのようなコーティングはありません。
ただし日本のサバゲー環境だとそのような炎天下環境は少なく透明なレンズが好まれるのであまり問題ないでしょう。
レンズの歪みです。

レンズの歪みは上の方に少しあります。スコープじゃないのでそんなに気になることはないと思います。
ドットを点灯させていきます。
ドットのスイッチは下の写真のダイヤルを回すことによってスイッチが入り赤が1~5、緑が1~5の全部で10種類が選べます。

ここでは赤の1,3,5、緑の1,3,5を実際に点灯させて確認していきましょう。
赤のレベル1

暗すぎてほとんど使えないと思います。
赤のレベル3

赤のレベル5

緑のレベル1

緑のレベル3

緑のレベル5

写真でははっきりとドットが見えますが実際には少し潰れて見えます(私が乱視であるのも要因)。ドットの明るさはレベル1だと暗すぎてほとんどMAXのレベル5をつかうことになると思います。
また実際のドットは写真より暗めでもうちょっと光量があっても良いように感じます。ただし電池が試供品かつ古いので新品だともう少し明るいかもしれません。
次にドットを上下左右に振ってみます。




上下左右のどの方向もドットが見切れることなくレンズの端まで有効に写っているので優秀です。中華レプリカ系だと下手をすると1万円クラスでもドットが見切れることがあります。
屋外でのドットの見え方です(赤 レベル5のMAX、外は雲り)。

外が曇っているのでドットが見やすい環境ですが屋外でもしっかりとドットが見えます。
実際の使い勝手と搭載例
実際の搭載例としてXM177E1に搭載して使っています。


XM177E1は固定キャリングハンドルでサイトの視点が高いのでマウントをローマウントに変更して使っています。キャリングハンドルが着脱式のモノであれば製品付属のマウントの高さで問題ないと思います。
時代的にはXM177E1は1960年代の中盤に開発されたものでM3タイプのドットサイトはマッチングがおかしいのですがエアガンはアブダビカービン(M727)、サイトがM2に似ていることからブラックホークダウンのデルタみたいになるので気に入って使ってます。
実際にフィールドで使うとゼロインも30mくらいでバッチリと決まって特に不満はほとんどありません。ドットが弱冠、暗いような気がしますがそのせいでドットを見失うことはそこまでないです。
ただ私は森林フィールドを好むので真夏の炎天下の河川敷を使ったフィールドだともしかしたらもっと明るさが欲しいかもしれません。

まとめ
実売価格3000円未満でも普通に使えて最初のドットサイトとしてかなりかなり適している製品だと思います。
特に最初のうちは下手に中途半端な価格のモノを買ってハズレを引くより本製品でドットサイトの扱いに慣れるという意味でも非常に良い製品だと思います。
ゼロインするための調整幅が大きい、操作はシンプル、典型的なチューブ型、金属製でゴツイつくりで頑丈、明記されていないが実機を見ると多少の防水仕様、とんでもなく安いことから初めてのドットサイトに最適だと思います。
特定の形状に拘りがある、M3タイプの形状が気に入らないという方以外でしたら不満より満足が上回ると思います。
欠点としてはサイズが大きい、思い、ドットが少し暗いなどがありますが値段を考えたらあまり文句も言う気が湧かないレベルに収まっています。
以上、Sutekusu 4MOA ドットサイト レビューでした。
・Sutekusu 4MOA ドットサイト
驚異のコスパです。
他にもドットサイトのレビューをしているので興味があれば是非!!
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