今回はSOTAC社製のTrijicon SRO ドットサイト レプリカ品のレビューです。
この製品は比較的、手が出しやすい価格(6000円〜8000円)で価格帯、使い勝手が東京マルイさんのマイクロプロサイトと思いっきり被ってきます。
おそらく安定した性能は東京マルイさんのマイクロプロサイトの方が確実なのでしょうが形が独自形状、外装が樹脂による質感、他の人と被ることに対し本製品は実物で大人気のTrijicon社のSRO ドットサイトのレプリカなので気になる方も多いと思うのでレビューしていきます。
外箱と内容物
外箱を見て行きます。

外箱はプラスチックのケースになります。パッケージとしては内容物とスペックがわかるようなステッカーが貼ってあります。商品のスペックが記載されていますが後に実物を紹介しながら解説します。
開封します。

ごちゃごちゃと色々と入っていたので取り出します。
内容物一覧

・本体
・六角レンチ2本
・クリーナー
・CR2032電池
・レールマウント①
・グロック用マウント②
・工具
・ネジ
かなり豪華な内容物ですが中華レプリカにありがちで説明書がありません。
付属ネジの種類を見て行きます。

長さ違いで+ネジ2本、長めの六角ネジ2本、短い六角のネジが2本入っています。
もし購入された方で内容物の過不足が気になる方は参考にしてみて下さい。ただし中華レプリカですので内容物が頻繁に変更されることが多いので注意して下さい。
外観
外観の全体像です。


前後左右上下と詳しく見ていきます。

レンズは赤色が強く反射しているので何かしらのコーティングがされているようです(ルビーコート?)。

目で覗く側のレンズは少し青みがかかっています。レンズの見え方については後で詳しく書きます。
次に左右側面を見て行きます。

右側面にはドットの左右位置調整(ヴィンテーション)と輝度調整ボタンーが配置されています。プリントの印字はずれもなく綺麗に印刷されています。また流石の中華で思いっきりTrijicon SROと記載されています。
ちなみにボディの材質はアルミで切削で作っているようです(外箱によるとA6061)。A6061の切削なのでそこそこいい雰囲気はでできていますが実物は流石の超超ジェラルミンのA7075-T6で鍛造なので見た感じや質感は異なります。

左側面はドットの輝度調整ボタン+があります。右端に印字されているQRコードは無効でした。
次に上下面を見て行きます。

上面からは電池スペースの蓋、ドットの上下調整(エレヴェーション)があります。1クリック1MOAとありますが中華レプリカなのでおそらく当てにならないと思います。

裏側はRMRマウント規格になっています。調査するとマウント形状は本物と同じようなのでサードパーティ製のマウントも使えるようでありがたいです。
ここで折角なので裏蓋を開けてみました。

電源、レーザーユニット、左右調整機構、上下調整機構が見えます。回路はシンプルな構造でハンダを見る限り丁寧な仕事をしているように見えます。上下、左右調整機構もそこそこな構造に調整幅も大きそうなのでゼロインも心配なさそうです。当然ながら実物のような防水、防塵、耐衝撃などの工夫はされていません。全体的に単純な仕組みなので壊れても簡単に直せそうです。
当たり前ですが実物はもっと複雑な回路で耐衝撃、防水のためにOーリングやゴムのブッシュマウント等が搭載されていますが日本で10万円以上するので別物と考え比較してはいけないような気がします。
裏蓋を元に戻す前に注意点として以下の写真のような絶縁シートがあるのでもし実際に開ける方は注意して下さい。

次にサイズ感と大きさです。

大きさとしてはかなりコンパクトですが東京マルイさんのマイクロサイトやRMRサイト、ドクターサイトと比べると大振りです。
参考までに実際に測ったサイズと重量を載せておきます。


重量

重量に関してはマウントを搭載していない状態ですので実際に使用する場合は44gにマウントの重さが増えます。
電源、操作系統
付属の工具を使って電池の蓋を開けて電池(付属のCR2032)を本体に入れて行きます。

付属の工具は電池の蓋を開けるのにはあまり向いていないようでコインやマイナスドライバーを使った方が作業しやすいです。
ドットの上下調整、左右調整も本体付属の工具で調整できます。


調整ダイヤルはクリック感があって調整しやすいです。本体付属の工具を失くしてもマイナスドライバーやコインで調整できます。
電源スイッチは本体左右に設置されている輝度レベル調整ボタンと兼用で+を押すと点灯、ーを押し続けるとOFFになります。


次にレールマウントを取り付けます。
付属のマウントと長い六角のネジを2本使います。工具は付属の六角レンチを使います。

取り付け状態を見るとしっかりとレールマウントに本体がマウントできています。たまに粗悪品だと浮き上がることがあるので要注意です。


レールマウントがついた状態での重量です。

本体44gに対して31gアップの75gでマウントはかなり重いようです。
次にグロック用マウントを取り付けて行きます。使用するネジは短い六角ネジ2本です。

レールマウント同様に取り付け状態を見てみるとしっかり問題なくついています。


重量です。

53gなのでマウントレールを搭載した状態よりは軽いです。ライバルの東京マルイさんのプロサイトはカタログによると16gと本製品よりかなり軽量なようです。これらのようなサイトはハンドガンのスライドに直接マウントするので重さが作動性、耐久性に直接影響するので軽い方が良いのでしょうが本製品は樹脂ではなくアルミ製で大型なので仕方がない部分があると思います。
レンズ、ドットの見え方
ここからは実際にレンズやドットの見え方を見て行きます。
最初にドット点灯無しのレンズです。

少し青みがありますが見やすいレンズだと思います。
レンズの青みに関しては“青いモノはダメ、安物は青い“ということではなくメーカーによっては狙って青くするようです。以前、サイトロンジャパンさんの営業さんに聞いたことがあるのですが雪原、砂漠地帯のような日光が強い炎天下だと青いレンズでないとドットが見えないそうです。
レンズの歪みを見て行きます。

縁が少し歪んでいますが全体的な歪みがは少なかったです。最もスコープと異なってドットサイトの場合は基本的に歪みは少ないのでこんなものかもしれません。
レンズのサイズです。

コンパクトな本体の割にそこそこ広いレンズなので見やすいです。
次に実際に本体横の+ボタンを押してドットを点灯させてみます。ドットの輝度は5段階あるのでそれぞれ写真を載せます。
輝度レベル1

輝度レベル2

輝度レベル3

輝度レベル4

輝度レベル5

全5段階でそれぞれの輝度レベルの違いがわかります(4と5はわからない)。実物は全部でドットのサイズの選択(1MOA、2MOA、2.5MOA)、それぞれ8段階とNVモード2種類の多彩なモードがありますが値段の違うことを考慮しエアガンで使うレベルであれば十分な気がします。
ドット自体は写真では綺麗な丸に見えますが肉眼で見ると少し滲んでいます(私が乱視なのでその影響かも)。
次にドットを輝度レベル5にして上下左右に振ってみます。
まず上に振ります。

残念なことに上に振るとドットが消えて行きました。
ドットが消えない範囲で上に振ると以下の写真の範囲が限界のようです。

左に降ります。

右に振ります。

上振りでドットが消えていくのは残念ですがそれ以外はドットが縁のギリギリまで映っているのでサイトを覗いた時にドットをすぐ見つけられます。
晴れた屋外でドットを点灯させてみました(ドットの輝度レベル MAX)。

少しドットが暗く見辛い気がします(使えないことはない)。撮影時は日差しが強い晴天だったので晴天ではない屋外、森林フィールドや屋内インドアなどでは問題なさそうです。
グロックへの搭載
本製品では付属品にグロック用のマウントがついているので実際に取り付けて見ます。
取り付け対象機種は東京マルイ グロック17 GEN4です。

まずはホールドオープンさせます。

リアサイトの裏側にあるネジを外します(ブリーチのネジ)。

リアサイトも外します(上方向に引っ張れば取れます)。

グロック用マウントに乗せたSROサイトと付属の長い+ネジを準備して取り付けます。

完成です。

マウントとスライドの取り付け部を見て行きます。


かなり精度良くスライドとピッタリと搭載できました。
実際にサイトを覗いて見ます。

構えた時に自然な感じでドットが目に入ってくるのでかなり良い感じです。当然ながらアイアンサイトよりはるかにサイティングしやすいです。
重量感はドットサイトとマウントで55gの重さが追加されているのですがグリップを握っている付近なので重さはあまり気になりません。
実際にブローバックさせてみると東京マルイ グロック GEN4では問題なく作動します。純正状態ではシャープなリコイルだったのがドットサイトの重みで迫力が加わり面白い撃ち味になりました。ただし測定はしていませんが燃費はそこそこ落ちると思います。
ブローバックの衝撃によるドットの消え、ズレは1マグほど撃った感じでは問題なさそうです。メカニズムをみると狙ったのかどうかはわかりませんがドットの位置を調整する機構にネジとスプリングを使用していてそのスプリングがネジにテンションを与えているので外部から衝撃が入ってもドットがズレにくいようになっています(ネジの緩み止めのバネ座金と同じ)。

他に自分が持っているグロックで搭載できるかを試したところ東京マルイ グロック19 GEN3、東京マルイ グロック17 GEN3は取り付けできてUMAREX/VFC グロック19Xは取り付け不可でした。
取り付け部の調査、観察をしてみるとガスブロのグロック系のリアサイト取り付け部は大まかに東京マルイ グロック18C系統、東京マルイ グロック17 GEN.3系統、東京マルイ グロック17 GEN.5の3種類があるようです(東京マルイに限らず全般的な傾向)。
この付属マウントが対応しているのは東京マルイ グロック17 GEN.3系統で見分け方としては下記の写真の様にリアサイトの取り付け部の形状が異なるのでもし購入検討をしている方はお持ちのグロックのリアサイトを確認してみると良いと思います(あくまで参考)。

またバトンのBGー17のMOSはマウントプレートは取り付け部の軸の径が異なるので搭載できませんでした(BATON G-17は改修されているかもしれません)。軸をリューターなどで削れば使えますがおそらくサードパーティで対応したMOSプレートがあると思うので購入した方が良いと思います。

最も付属のマウントが使えなくても最近ではTrijicon RMR規格のマウントがグロック用だけでなく様々な機種用で販売されているのであまり気にしなくても良いかもしれません。
まとめ

ここまでレビューしてきた感想として実売価格が6,000〜8000円の割にはかなり使える製品だと思います。玉石混合の中華レプリカの中ではかなり良いと思います(ただしロット差がどれだけあるのかは未知数)。
外観に関しては実物はアルミ鍛造なのでかなり異なりますがアルミの切削で綺麗に加工され塗装もいい感じです。機能面も必要最低限は満たしているので問題なさそうです(ドットの上振れの見切れは残念)。
耐久性に関しては内部構造を見る限り極端に低い感じはしません(耐久性が高いとも言えない)。
また付属品だけでマウント、電池や工具の同梱でグロックへの搭載などすぐに使える状態にできるのもポイントが高いです。アクセサリー製品にありがちな本体以外に必要なものがあると気持ち的にも金銭的にもハードルになるので完結している商品はありがたいです。
以上、お付き合いありがとうございました。
・SOTAC SROタイプ ドットサイト
黒以外にもいくつか色の種類があるようです。また購入を検討されている方はショップによって値段がまちまちなのでいくつか探すと良いと思います。
・SOTAC SROタイプ ドットサイト ナイロン製
機能性能は同じでボディの材質がアルミからナイロンになり軽量化されているようです。SROタイプと同様に複数の色のバリエーションがある、値段がショップでまちまちなので購入検討されている方はいくつか見てみると良いと思います。
他にもドットサイトをレビューしているので興味があれば是非!!
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