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エンジニアの転職活動の実態と進め方の参考例

転職活動シリーズ1 私の転職活動概要(機械系エンジニア、30代半ば2010年代の中頃)

最近(執筆2023年3月)、日本国内だけで見ると政治経済的にコロナの出口が見え始めたので経済状況は悪いながらも弱冠の回復傾向にあるようで様々なメディア(ネットを含む)で転職の広告を見かける頻度が多くなり人材流動性が戻って来たようです。

これから先も変化し続ける経済状況、日本政府の方針からも人材流動性は高くなる一方なので転職が増加する確率はかなり高いです(古い価値観ですが一つの会社で様々な人材を抱えきれないという残念な状況とも言える)。

そんな事を考えていたら自分が30代半ばの2010年代中頃に転職活動をして幾つかの会社から内定に近い返事を頂いたことを思い出しました(諸事情で最終的に転職はしていない)。

少しでも参考になる方が居れば良いなと思いエンジニア(自動車エンジン設計)である自分の転職活動経験から得た情報、方法、考え方をシリーズで記事にしようと思います。

さらに記事を書く動機として最近の理系やエンジニアの転職界隈ではAIを含むITなどのソフトウェアの内容ばかりで私のようなハードウェアを扱うジャンルの情報がほとんど見られないことも気になっていました(少し半導体関連があるだけ)。

本来はソフトウェアとハードウェアは一体のモノなのにソフトウェアの需要だけが増え続ける状況は論理的にも現実的にあり得なくソフト、ハードの一定のバランスが取れた状態に戻るので揺り返しでハードウェア需要が膨れ上がることが容易に考えられます(こいう流行りに踊らされる現象は良くないと思う)。

IT関連がメディアに煽られてバブルのように膨れ上がってますがいずれ沈静化する可能性が高く、最悪なケースではブームが去った後にIT人材の需要と供給のバランスが崩れて職を失う方が出てくる可能性があります(一定の需要は継続的に続くと思います)。

なので頑張ってハード側の情報発信をしていきたいと思います。しかしながら折角なのでなるだけ他の分野の転職でも役に立つような情報にします(情報の汎化)。

まず1回目は私の転職活動の概要を紹介していきたいと思います。

転職活動をする前の自分の状況

私が大学卒業時の新卒就職活動時期は就職氷河期の真只中でしたがなんとか第一希望の会社に就職できました(運が良かった)。就職先は自動車の完成車メーカーです。

私はエンジン設計を希望して入社したものの当時は職種別採用(最近は多いらしい)がほとんど無かった時代なので理系総合職として採用されました。なので例えば希望と正反対の工場の設備管理(これも超重要な業務)になる可能性もあったので入社後も不安でした。特に当時からもメーカーで研究開発に携わるためには基本的に大学院を卒業していないと不可能に近いと言われていたからです(この話は当時も今も全くのデタラメ)。

しかしながら運が良い事に希望のエンジン設計に配属されました。

こうして無事に機械設計、エンジン設計者として歩み始めることが出来ました。

なので古い価値観ですが自分の心持ちとしては転職など全く頭によぎる事もなくずっと同じ会社に在籍して頑張るものだと思っていました(なんと現在はフリーランス)。

自分の略歴

元内燃機関設計者としての自己紹介(機械設計講座に来て頂いた方へのメッセージ)

私が転職を考えるまで経緯

就職してから数年が経ちそこそこ仕事を頑張っていたのですが世界の経済に大打撃を与える事件、リーマンブラザーズの経営破綻が起きました(2008年秋)。

経営破綻は2008年秋頃ですが日本へ本格的に影響が出たのが一年半程度遅れて来て2010年頃にはかなりヤバイ状況になりました。

更に2011年には皆さんのご存じの東日本大震災が発生し日本が混乱しました。

この2つの大きな出来事から自分の在籍している会社も非常に大きな影響を受けて様々な変化が起こりました(特に欧米市場の冷え込み、国内生産の落ち込みは凄まく対応が大変でした)。

また景気が悪くなると人の心は暗くなったり荒むように会社の経営も悪化すると会社全体の雰囲気が悪くなり負のオーラがそこら中に漂うようになって来ました。

さらに酷いものでトップの経営層から現場の管理職に至っても派閥争いが激化し部長クラスから現場の管理職まで頻繁に変わる状態にまでなっていました。

この派閥争いの影響で自分とはあまり考えが合わない部長、上司に変わりだんだんと干され始めました(自分だけでなく現体制派以外は孤立させる感じ)。干されても暇になるのではなく評価されないが責任だけは重い市場品質対応(極端にわかりやすくするとリコールなど)を複数件を抱えワンオペで推進していたので心身共にすり減って行きました。

このままでは会社に居ても意味が無いと思い部長を含めた様々な階層の管理職に自分が歩たい方向の仕事を少しでもできるように直談判するもあまり上手く行かずただでさえ良くない管理職達との関係が悪化し負のスパイラルに陥って行きます。

当時、私は30代半ばに差し掛かる年齢でなんと無く会社内で将来、どうなっていくか決まりかける時期だったこともありこのままでは自分の将来はあまり明るく無く忙しさで身体も心も壊れると思ったので転職活動をする決意をしました(人間は辛さには耐えられても希望が無くなると一気に心身がヤバくなると感じました)。

私の転職活動内容(30代半ばの2010年代中頃)

本格的に転職活動を行うにあたって気持ちだけで闇雲に活動しても良い結果が得られないと思ったので転職へのはやる気持ちと現状の職場への嫌気を理性で抑えて論理的にじっくりと時間を掛けて活動することにしました。

やり方としてはシンプルでまず自分の抽象的な気持ちの段階から情報を少しづつ段階的に具体化して行き最終的に行動要件を導き出します。

まずはこれまでの経緯から私の転職活動の動機(不満なことなどの気持ち)を書くと次のようになります(自分の気持ち)。

動機、理由

・キャリアアップの可能性が低い

・将来に渡って昇給の可能性が低い(皆さんも同じだと思いますが現代日本では昇進しないと給料はほぼ上がらない)

・所属部署の上層部との人間関係悪化

調べてみるといずれの項目も現在の転職理由ランキングのベスト5に入るようなので同じ理由の人が多いかも知れません。

これらのことから自分の転職活動で不満を解決されるために必要な目的を考えました(気持ちから少し具体化する)。

転職活動の目的

・キャリアアップが望めること

・自分の考え方に理解を示してくれる人がいること(最低限、理解されなくても話し合いができる)

・自分のエンジニア経験(機械設計、エンジン設計)が活かせる事

・転職活動を長期で行う事(可能性を広げることが目的なので安易に妥協しない)

だんだんと具体化が進んで自分が転職先に何を求めているのかが明確になってきます。

次に自分が転職先に求めていることから数多にある様々な求人情報から何を基準に会社を選んでいくか目標を考えて決めて行きました。

目標

・機械設計、エンジン設計の業種に拘らず自分のスキル、経験が活かせる最大限の範囲で業種、会社を探す

・知名度、会社規模や勤務地(国内外含む)に拘らず転職先と自分の将来性を重視して探す

・自分の考え方、理念と転職先の企業理念の方向性が同じベクトルの会社を探す(面接時は面接官の人間性も要チェック)

この目標を基に数多の様々な求人情報からどの会社の中途採用を受けるのかを選定できるようになります。

自分の活動での企業の選定は至ってノーマルでめぼしい企業のサイトで求人情報を探すのと同時に要件の一つができるだけ広い範囲で探す事なので自分の求人探しでは限界があると思い複数の転職サイト(転職エージェント)に登録しました。

利用した転職サイト、サービス

・メイテックネクスト

・リクナビNEXT(リクナビエージェント併用)

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・パソナキャリア

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・JACリクルートメント

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・I search worldwide(JACリクルートメント経由でスカウト)

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・アジェンテ

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・マイナビ(結果的に登録、エージェントの打ち合わせまで)

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各サービスの特徴、強みに関しては実際に利用してよくわかったので別記事で詳細に紹介します。

各社のエージェントさんとお話しさせて一緒に検討して頂いた結果、選考を受ける会社を決めて中途採用試験に臨みました(結果として国内自動車メーカーの1社だけ自分で直接、企業にエントリー)。

採用試験を受けた会社

・国内自動車メーカー 2社
職種:エンジン設計、CAE解析(強度、機構、流体、熱を同時に解析するマルチフィジックス領域解析担当)
CAEは簡単にいえばコンピュターシミレーションのことです

・海外自動車部品メーカー 2社
職種:アプリケーションエンジニア(会社の本社-日本の拠点(応募先)-お客様のそれぞれの技術仕様の調整業務) 役職:プレイングマネージャー(管理職)

・重工メーカー 1社2部門
職種:自動車部品設計、特殊機械設計

・国内技術コンサルティング会社 1社 
職種:ソフトウェア開発 兼 コンサルタント

・海外技術コンサルティング会社 1社
職種:アプリケーションエンジニア(会社の本社-日本の拠点(応募先)-お客様の3社間の技術仕様の調整業務) 兼 その会社のソフトウェアの開発支援と技術営業 役職:プレイングマネージャー(管理職)

・国内シミレーションソフトウェア開発、販売会社:CAEベンダー 1社
職種:ソフトウェア開発支援 兼 技術営業

・海外シミレーションソフトウェア開発、販売会社:CAEベンダー 1社
職種:アプリケーションエンジニア(会社の本社-日本の拠点(応募先)-お客様の3社間の技術仕様の調整業務) 兼 その会社のソフトウェアの開発支援と技術営業  役職:プレイングマネージャー(管理職)

・国内工作機械メーカー 1社
職種:特殊刃具(特殊バイト)設計 兼 新型バリレスバイトの研究開発

・国内電機メーカー 2社
職種:人工衛星などの宇宙開発関連機器の設計、プラント設計

 ・国内建設機械メーカー 1社
業種:エンジン設計

書類選考で落ちた会社は記載せず。

上の項目の会社とは全て複数回の面接を行ったので各業種や会社での選考の進め方、面接の内容、雰囲気を経験できたので別記事で詳細に紹介します(もちろん機密契約がまだ有効なので会社名などの証紙情報は書けません)。

要件通り様々な業種、職種、国内、国外、ベンチャーに応募し選考を受けることが出来ました(いろんなパターンの採用試験が経験できた)。

選考を受けた結果、採用見送りとなった会社は次のようになりました(通称、お断り見送りメール)。

採用見送り

・重工系 1社1部門
職種:自動車部品設計

・国内電機会社 2社
職種:人工衛星などの宇宙開発関連機器の設計、プラント設計

ざっと数えて14戦3敗でした(忘れてる会社があるかも)

運が良いことに多くの会社からほぼ内定のご返事を頂けたのですが様々な条件(実際の業務内容、ポジション、給与、勤務形態、勤務地など)が折り合わないことに加え在籍している会社のお世話になった役員に強く引き止められ最終的に転職自体はしませんでした(連夜の飲み会攻勢とその役員直轄プロジェクトに移動で残留を決定)。

その数年後の現在は会社を辞めてフリーランスになったというわけのわからない人生です(お世話になった役員の定年退職の2〜3年後)。

これが私の転職活動概要で活動の結果としては実質6社の転職サービスを利用してざっと数えても14社ほど受けたので期間としてはおおよそ2年間程度活動していました(それなりの期間で多くの人と出会ったので色んな事情、裏話を知れました)。

それなりの転職活動経験が積めたと思うので自分なりの転職活動方法の具体的なプロセスに小技、裏話など混ぜながら詳しく説明して行きたいと思います。

また自分が在籍していた会社は中途採用で入ってくる人、出ていく人も多く様々な業種、会社出身が居て色んな話を聞いたので今後の情報に入れて行きます。

さらに自分が在籍していた会社はゲストさん(技術派遣)を多くの人数を利用していてたまたま社内で仲が良かった人が正社員(派遣先の会社、つまり私と同じ会社)になれたのでそのプロセスも発信して行きます。

以上、長い文章にお付き合い頂きありがとうございました。

次回は転職活動を始めるためにやる事、必要なモノを紹介していきます。

転職活動シリーズ2 転職活動を始めるためにやること、必要なモノ

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  • この記事を書いた人

kazubara

輸送機器メーカーでの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計知識を伝道します。また職歴を活かしてエアソフトガンをエンジニアリング視点で考察して行きます。

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