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エンジニアの転職活動の実態と進め方の参考例

転職活動シリーズ2 転職活動を始めるためにやること、必要なモノ

前回は自分の転職活動の概要を説明させて頂きました。

転職活動シリーズ1 私の転職活動概要(機械系エンジニア、30代半ば2010年代の中頃)

今回は転職活動に必要なやる事、必要なモノを解説して行きたいと思います。

実際にはやる事、流れを全く知らなくても企業の中途応募サイトを覗けば必要事項は記載されています。

また転職サイトに登録すれば高い確率で担当者かエージェントが付いてくれるはずなので必要な事は教えてもらえます。転職サイトの登録も私の時代は職務経歴書を登録時に求められたりなど少し面倒だったのですが今はかなり楽になっているようです。

こんな感じで転職活動について内容を全く知らなくても進めることは可能ですが、転職活動を能動的に進めたり同時に幾つかの会社の選考を受けたりするのでじっくりと準備する時間が取れない事があるので予めやる事、流れを知った上で準備することが重要だと思います。

なので今回は転職活動を始めるためにやることから見て行きます。

転職活動を始めるためにやること(最低限)

まず始めに転職活動で選考を受けるまでに必要最低限なやる事をまとめます。

作成する文書(最低限)

・履歴書の作成

・職務経歴書の作成

・選考を受ける会社の志望動機(不必要な事もある)

次に必要な行動です。

必要な行動(最低限)

・求人サイトへの登録(ほとんどの人が転職サービスを利用すると思います)

・求人サイト登録の際に希望条件、職歴や個人情報の登録

・求人サイト登録の際に職務経歴書(+履歴書)を転職サービスへ提出
基本的にサイトにデータアップロードで済む(サイト登録後の提出でも大丈なところもある)

・求人探し(会社のサイトから探す、転職サービスから斡旋してもらう)

とりあえずここまで挙げた事をすれば転職活動がスタートできます。

ここから先は選考を受ける会社を決めて実際にエントリーすると選考が進んでいきます(基本的に書類選考から始まる)。

但しここまで挙げたものは必要最低限の内容なのでこれだけだと自分に合った会社を選ぶ、選考を勝ち抜いて行くのに当たって有利に進めていくことは難しいと思います。

なので自分の経験から必要最低限の事に加えてやっておいた方が良いことを紹介します。

オススメの転職活動を始めるためにやる事

ここからは最低限やる事に加え自分の経験からオススメのやる事を紹介して行きます。

1、自己分析(転職の動機の具体化)

一般的に紹介されている自己分析は自分の長所、短所を見つける内容が多いですが私がオススメする自己分析の内容は異なります。

私がオススメする自己分析とは転職したいと思った気持ちを分析することに集中します。

この段階ではなるだけ自分の気持ちに素直になって分析することをオススメします。

例えば次に挙げるような他人に言えないような事でもどんどん挙げて行きます。

自己分析内容例

・給料が安くてムカつく

・労働時間が長くてウザイ

・異性が少なすぎてやる気が出ない

・近い将来、今の会社は傾きそう

・会社の雰囲気が合わない

・地元に帰りたい

などなどどんなくだらない事でも挙げていきます。人に言えないような恥ずかしこともガンガン挙げて行きます。

この自己分析に重要なことは“転職活動によって自分が何を解決したいかを明確にする“ことが重要です。

この段階から自分の長所、短所の分析やスキル、技術の分析を重視してしまうと今の自分の能力で受かりやすそうな会社が見えてくるだけで本当に自分が解決したいこと、転職によって変化させたいことが不明瞭になり転職できても意味がなくなります。

なので私がオススメする自己分析では自分の素直な心の中を整理することになります。この段階でのポイントは自分の能力やスキルに関する事は一切、考えないことが重要です(自分の可能性を狭めてしまう)。

但し自分のキャリアアッププランが明確になっている場合はやる必要はないと思います(新卒時からステップアップで行きたい会社が明確になっているなど)。

詳しいやり方、コツ、便利なツール、まとめ方は後の記事でじっくり解説します(まずは概要を知る事が重要)。

またここでの自分の気持ちの分析結果によっては転職をしなくても今、所属している会社の上層部と相談すれば解決できる事で済むかも知れません。

そのような場合は無理に転職しないという選択肢を導き出せることが可能です。

2、目的-目標設定(転職活動の軸を決める)

一般的に紹介されている目標設定はキャリアプランや転職日程を決めていく内容が多いですが私がオススメする目的-目標設定の内容は異なります。

この段階で重要なのが自己分析で見つけた“自分が解決したいこと、現状から変化させたいこと“をどうすれば達成できるかに注力させます。

実際に目的-目標設定でやる事は自己分析の結果で出てきた課題を解決するための条件を考えて行きます(だんだん要件化していく)。

まずは目的設定で自己分析の結果から課題の解決方法を設定して行きます。

目的設定内容例

・給料が安くてムカつく→給料を挙げることが目的

・労働時間が長くてムカツク→労働待遇の改善が目的(残業が少ない、フレックス、裁量労働制など)

・異性が少ない→会社の男女比を変えることが目的

・近い将来、今の会社は傾きそう→将来性のある業界、業種、職種に変える事が目的

などなど

ここで重要なことは自己分析と同様に自分の能力やスキルなどに関することを一切、考えない事が重要です。自分の能力のことを考えすぎると思い付く対応が限定されて本当に解決したいことが隠れてしまいます。

また目標設定では一般的に日程、期限を決めることが多いのですが、この段階では敢えて日程、期限は考えない方が良いです。ほとんどの人の転職で達成したいことは“現在の課題の解決、現状を変化させること“であって“XXXX年XX月XX日まで職を変えること“ではないはずです。

しかも新卒の一斉採用とは違い転職は各々の会社で実施されるので焦る事はありません。

次に目的設定で考えた内容をより具体化して目標に変えて行きます。

目標設定

・希望年収 具体的にいくら

・希望の業界、業種、職種の具体化(1個に固める必要はない)
例えばコンサル業界 技術分析

・求めるキャリアの具体化(採用時のポジションやその先)
例えば課長、係長、主任など

・待遇(裁量労働制、フレックスなど)

・業務内容
研究、開発、設計、テスト、情報分析などなど

この目標設定は自分の目標がクリアになる事は当たり前ですが同時に自分が転職先に求めること、つまり求人から選考を受ける会社を選ぶ時の目安になるので便利です。

また予め目標を設定しているので求人サイトへの登録、担当者、エージェントの打ち合わせの効率が良くなります。

またこの目標設定の作成プロセスは自己分析から論理的に繋がっているので転職で目標が設定されれば“自分の変化させたい事“が達成できます。

これが目的目標設定の概要です。

詳しいやり方、コツ、便利なツールやまとめ方は後の記事でじっくり解説します(まずは概要を知る事が重要)。

ここまでの流れは私の転職活動概要に書いたので良ければ覗いてみて下さい。

転職活動シリーズ1 私の転職活動概要(機械系エンジニア、30代半ば2010年代の中頃)

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3、スキル、技術の棚卸し

私がオススメするスキル、技術の棚卸しの内容は一般的に紹介されていることとほぼ同じです。

なのでここで詳細は割愛しますが内容としては自分の出来ること、身につけた事、強みをまとめて行きます。

この作業は職務経歴書の作成にも大いに役に立つのでオススメです。

実際の作業ではスキル、技術の棚卸しと職務経歴書の作成は行ったり来たりしながら進めます(同時進行に近い)。

やり方のコツとしては様々な図表を使っていくのですが詳しいやり方、コツ、便利なツールは後の記事でじっくり解説します(まずは概要を知る事が重要)。

4、自己PR資料(自分のマーケティング)

次に私がオススメするのは自己PRの資料作成です。

自己PR資料は一般的に詳細されている転職活動の紹介にあまりない項目ですがかなり重要だと思います。

基本的に会社の選考では志望動機、職務経歴書ベースで進められて行きます。ただこの条件は自分だけでなく他の候補者も同じ条件なのでこの2つだけで大きな差をつけるのは難しいです(当たり前ですが選考は競争です)。

また選考前の転職サービスの利用の段階でも既に競争は起きています。転職サービスも基本的に営利企業なのでより利益を上げていくのは当然のことで選考に受かりやすい人に対して優先的に求人が紹介されて行きます。

つまり転職サービス内でも企業の選考と同じような競争が発生します。

これらの競争で優位に立つのために自己PR資料を作成し提出することは大きな武器の一つになります。

さらに転職活動は新卒時の採用試験と異なり採用ルール、手順は厳格に決まっていないので必須資料以外のモノも大抵は受け取ってしっかりと目を通してくれます(自分の経験では拒否されるケースはない)。

転職活動は基本的にカタにハマる必要はないのでやれることはやった方が良いと思います。

具体的な自己PR資料の作成方法はスキル、技術の棚卸しや職務経歴書をベースにプレゼンスタイルになるようにパワーポイントで作ります。

実際の詳しいやり方、コツ、便利なツールは後の記事でじっくり解説します(まずは概要を知る事が重要)。

ここまでが私がオススメする必要最低限に加えたやる事になります。

オススメの転職活動を始めるために必要なモノ

ここでは転職活動を始めるために必要なモノを紹介して行きます。

基本的に仕事をしていれば持っているモノがほとんどだと思いますが会社貸与品のPCやプリンターなどは使えないのでまとめておきます。

携帯電話またはスマートフォン

これは現代社会で持ってない人はほぼ居ないと思いますが一応書いておきます。

転職においては転職サービス、選考を受ける会社との連絡は個人の電話番号、メールだけになります(当たり前ですが自分の会社は一切、通しません)。

例えると転職活動中は自分を売る自営業みたいなカタチになるので電話番号とメールが必須です。

ネット環境

現在の転職活動は転職サービスをはじめとして会社の中途採用の選考を受ける手続きの全てがサイト経由なので必須です。

また転職サービスや会社のやり取りでメールだけでなく文書のやり取りも頻繁に行うのでしっかりとしたネット環境の構築が必要だと思います(もしかしたら携帯電話のキャリアの通信料でもいけるかも)。

まあ現代であればほとんどの方がネット環境は構築されていると思うので問題ないと思います。

軽量モバイルPC(A4ノート)

PCに関しても多くの人が個人で持っているとおもますが最近はスマホやタブレットだけの方が居るかもしれないので書いておきます。

断然オススメとしてはデスクトップではなくバッテリーがそこそこ長持ちで画面が大きめなモバイルPCです。

理由としては本記事で挙げたやる事を推進するためには多くの文字や図表を扱うことになるからです(当然、会社の貸与品を使うとバレる確率が高いです)。

さらにデスクトップではなくモバイルを進める理由は転職サービスの担当者、エージェントの打合せや会社の選考面接で持ち込めるからです。考え方としては選考採用の面接を自分を売り込むためのビジネスミーティングと捉えればわかりやすいと思います。

なので私は転職活動時には常にモバイルPCを持ち歩いて相手先にPCで直接見せたり、モニターがある場合はモニターに映して説明していました(私は動画なども使った)。

また転職活動の文書、資料作成は業務中はできず仕事以外の限られた時間で進める事になります(しかも結構、時間が掛かる)。なので移動中、出先、寝るめの寝床などで作業して時間を作る必要があることからもモバイルPCを強くオススメします。

サイズは基本的にA4ノートがオススメですが厚みのある重いPCの場合はB5もアリだと思います。

自分が戦い抜いたPC(FMV  UHシリーズ)

厚み

こんな感じでそこそこ持ち歩く、外での作業が増えるので軽くてバッテリー持ちの良いものが便利です。またはオフィスが使えてキーボードが使えるならタブレットもありかもしれません。

・富士通 FMV UHシリーズ
自分が転職活動で使っていたシリーズです。特徴は軽量で薄いです。アマゾンにはUHシリーズはありませんでした。

・Panasonic Let’s ノート シリーズ
会社で使ってました。特徴は頑丈です。ただしコンパクトさは弱いかも知れません。リンクは新品中古が混ざってます。

・レノボ Think Pad シリーズ
会社で使ってました。コスパが良いです。特徴は頑丈でやや重い印象です。

商品リンクは適当なモデルのリンクですがどのシリーズもスペックによって価格が様々なので必要スペック(ネットが出来てOfficeが快適に動く、好みの重量、サイズなど)と予算で決めれば良いと思います(一〜二世代前の中古もオススメ)。

モバイルPCは高額になりますが要らなければ転職活動が終わったら売ることを考えて予算を組んでも良いと思います。

繰り返しになりますが転職は新卒採用と違ってルールはないので相手に断られない限り使えるモノは使ったもん勝ちです。

カラープリンター(最低でA4サイズの印刷)

紙に印刷できるカラープリンターはほぼ必須だと思います。

いくら世の中がデジタル化が進んだとはいえ転職活動の資料を紙で見る機会は非常に多いです。

さらに自分の経験から会社の採用面接時に居る面接官の全員が自分が作った資料をカラーコピーで持って見ながら面接が進みます。なので予め会社に資料を提出する前に自分で資料をカラーコピーしてどのように見えるかチェックすることは必須になってきます。

当然ながら資料のコピーを自分のいる会社でやるのはリスクが高すぎるしプリントサービスの利用では効率がかなり悪いです(印刷してチェック、直し、再印刷の工程はかなり繰り返す事になる)。

自分が戦い抜いたプリンタ(エプソン カラリオ、複合機)

なのでカラープリンターは必要だと思います(解像度とかは関係ないので安いので十分です)。

・エプソン カラリオシリーズ
自分が使っているモノです。特徴はよくわかりません。複合機を紹介していますが複合機である必要はないと思います(便利ですが)。

・キヤノン ピクサスシリーズ
昔、自分で使ってました。特徴はよくわかりません。複合機を紹介していますが複合機である必要はないと思います(便利ですが)。

プリンターも転職活動が終わって不要なら売ることを考えて予算を組めば良いと思います。

Microsoft Office

転職活動に必要な文書は基本的にWord、Excel、Powepointでの作成になるのでオフィスは必須だと思います。

転職サービス、各会社で文書の形式の指定はありませんが暗黙のルールでオフィスを使っているのが当たり前になっているはずです。

自分の経験の範囲ですが日本を含めて世界中の会社でオフィスを使っています。

また変換でバグが起きたりすることがあるのでフリーを含めたオフィス互換ソフトはオススメしません。

・Microsoft Office 365
必須です。ただし1年ライセンスか永続ライセンスなどは自分の大まかな予定に合わせて選べば良いと思います。自分的には持ってて損はないので永続ライセンスがオススメです。

アクロバットのようなPDF変換ソフト

転職活動に使う文書、資料はマイクロソフト オフィスで作成、提出になりますが相手に内容を変えられないようにPDFで提出することもあります(基本的にそのような悪徳な人はいないが)。

やり方は簡単で無料のAcrobat readerをインストールしておけば大丈夫です。

Acrobat reader(無料版)へのリンク

これで私がオススメする転職活動に必要なモノになります。

まとめ

少し長くなりましたがまとめて行きます。

まずは私がオススメする転職活動を始めるためのやる事です。

転職を始めるためにやる事

・自己分析

・目的目標設定

・スキル、技術の棚卸し

・職務経歴書

・自己PR資料 

・履歴書(後からでも大丈夫なことが多い)

志望動機は中途採用試験を受ける会社が決まってから

になります。

次に必要な行動は次のようになります。

転職活動を始めるのに必要な行動

・求人サイトへの登録

・求人サイト登録の際に希望条件、職歴や個人情報の登録

・求人サイト登録の際に目的目標設定資料、職務経歴書、自己PR資料(+履歴書)を転職サービスへ提出

・求人探し(会社のサイトから探す、転職サービスから斡旋してもらう)

次に転職活動に必要なモノです。

転職活動に必要なモノ

・携帯電話またはスマートフォン(電話番号とメール)

・ネット環境

・モバイルPC

・Microsoft Office

・Acrobat reader(PDF変換)

になります。

ここまで準備、行動ができれば次からは実際に求人情報を見て選考を受ける企業に応募して選考が始まります。

今回の内容でおおよそ書類選考までは進めていけます。

今の仕事をやりながらやる事、必要なモノが多く大変ですが転職は新卒採用と違って決まった時間内でやる必要はないので少しづつで良いから自分が納得するように進めるのをお勧めします(焦らず納得が行くように)。

時間軸に関しても現状の職場が辛いことや転職サービスの担当者、エージェントが急がすこともありますが気にしなくて良いと思います(似たような求人が巡って再び出ることは良くある)。

次回は転職活動を始めるためにやる事を基本に転職活動全体の選考までの流れを解説して行きたいと思います。

転職活動シリーズ3 転職活動の流れ(選考までのフローチャート)

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以上、お付き合いありがとうございました。

  • この記事を書いた人

kazubara

輸送機器メーカーでの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計知識を伝道します。また職歴を活かしてエアソフトガンをエンジニアリング視点で考察して行きます。

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