今回は2023年くらいから何故かブームになっているコンパクトデジカメ コダック PIXPRO FZ55をレビューして行きます(理由は平成レトロ、低価格らしい)。
私は今までブログの写真をiPhoneで撮影していてカメラの性能自体は非常に高く満足していたのですが片手で撮影しにくい、アップル製品以外へのデータ転送が面倒なことから話題のコダック PIXPRO FZ55を購入してみました(実勢価格2万円台で安い)。
私自身はカメラや写真には疎いのですがエンジンを設計する機械設計者なので設計、製造、品質、使い勝手などのエンジニア視点でレビューして行きます。
開封
本ブログのレビュースタイルを踏襲して外箱から見て行きましょう。

昔ながらのコダックのカラーの外箱です。フィルム全盛の時代はコンビニに必ずこのカラーのフィルムが売ってました。
サイドを見ると日本語説明書がダウンロードできるQRコードがシールで貼られています。

これはコスト観点から日本語のパッケージを作らずグローバル統一になっていると思われます。
開封して内容物を確認します。

・USBケーブル
・バッテリー
・ストラップ
・電源アダプター
・保証書
・マニュアル
・サービスカード
・本体
今までカメラを買ったことがないので比較できませんがかなり豪華なセットに見えます。基本的に付属物だけで使えるようになっています。とは言え本体の内部メモリが63MBで5、6枚程度しか撮影できないのでSDカードは用意する必要があります(SDカードは付属しない)。
次にサービスカード、マニュアル、保証書を確認していきます。

残念ながら保証書とマニュアルに日本語はありません。
サービスカードには書いてあることはたった一言で”JK Imaging Ltd.に連絡する前に、製品を返送しないでください”だけでした(14か国語で同じ内容が書いてあります)。
ここでJK Image Ltdはなんだろうと疑問に思ったので調べてみるとコダックとライセンス契約を結んでデジタルイメージ製品、主にデジカメを作って販売している会社のようです(アメリカの会社)。
2012年に破綻したコダックですが上手く再建して執筆時の2025年はそこそこ元気にやっているようです。
次に本体に付いているタグを見て行きます。

裏側を見るとこの機種の特長が書いてあります。

一般的にこのようなタグは製品の一番の売りをアピールするのでこれらの機能を頭に入れてレビューして行きます。
外観
ここからは外観を詳しく見て行きます。

平成中期によくあったコンパクトデジカメとよく似たデザインに見えます。角は丸みが帯びていてポケットやバックに入れても引っ掛かりが少なく取り出しやすそうで良いデザインです。
本体背面です。

背面には2.7インチの液晶モニターと各種ボタンが配置されています。ボタンの種類はそこまで多くなく各種設定、操作は簡単そうで助かります。
各ボタンの配置も親指一本で済むレイアウトなので非常に便利ですが本体がコンパクトなので成人男性の手だとちょっと窮屈に感じます(仕方がない)。
本体上面です

電源、動画シャッター、シャッターが並んで配置されています。個人的に動画ボタンとシャッターが分かれているので動画、画像の撮影を間違えにくい良いレイアウトだと思います。
本体下面

左側からバッテリー、SDカード収納部と3脚用のめねじが設置されています。
バッテリースペースのカバーを開けると下の写真のようになっています。

本体のサイド面です。


左側は何もなく右側にストラップの取付、USBポートが設置されています。USBポートはマイクロUSBになります。普及しているtype-cではないのは残念ですがケーブルが付属しているので問題ないと思います(マイクロUSBとtype A)。

どうしてもUSB type cで使いたい方は別途、ケーブルを用意する必要があります。
・マイクロUSB-USB typeCケーブル
100均でも良いと思います。
ちなみに製造側的にはマイクロUSBが好まれるらしく理由としてはタイプCにすると普及しすぎていてユーザーが何でもかんでも繋げてしまうのが怖いようです。
全体のサイズ感です。

完全に手の平に乗るコンパクトイサイズです。
詳細な寸法は以下のようになります。


重量です。

バッテリー込みで118.5gと軽量です。
全体的な外観の品質は高級感はなく値段相応な雰囲気ですが必要な機能をよく考えて配置しているように見えます。かなりコンパクト軽量モデルなので持ち運びのし易さ、手軽さは圧倒的ですが成人男性だと撮影時の手のフォームが少しきつく感じるかもしれません。
簡易分解とバッテリー、SDカード装着
バッテリーとSDカードを装着する前に軽く分解してみました。

絶縁シートの貼り方が少し雑な気がしますがそこそこよくできているように見えます。
液晶ディスプレイは台湾のGiantplus Technology社の汎用モデルでした。産業機器だとそこそこ有名でです。

本体中央部に見えるのが画像処理ユニットのCMOSだと思われます。少しハンダが雑に見えます。
説明書に記載がないので当然ですが防水、防塵対応は全くないので雨やひどい埃(火山灰や砂塵など)には気を付けた方が良いと思います。
全体的な内部品質は少し粗い部分(ハンダ、絶縁シートなど)が見られますが価格の割にはよくできています。板金や射出成型などはかなり良い仕上がりです。
外箱によるとこの製品はメイドインミャンマー(ビルマ)ですがなかなか良い感じです。ミャンマーというと衣服、食品分野が顕著に成長しているイメージですが工業製品も成長してきているようです(私の経験上、しっかり教えればアセアンの人は熱心で真面目なので品質が高い)。
分解はここまででバッテリー、SDカードを入れていきます(SDカードは別途、購入済み)。
バッテリーはリチウムイオンの1セル 3.7V 700mAhです。

本体の消費電力がわからないので明確には言えませんが容量が700mAhなのでそこまで電池持ちはしないと思います。動画を撮り続けた場合におそらく1時間くらいだと思います(カタログでは1時間30分ですが理想的な条件のみ)。
本体にはバッテリースペースの蓋を開けて以下の写真のように入れます。

SDカードは512GBまで認識するようです。
・バッファロー SDカード 64GB
個人的にバッファローを信頼しているのと価格、容量のバランスから64GBが良いと思います。
充電は付属の電源コンセントじゃなくてもUSBで充電できます。ただし付属の電源コンセントは出力が5V、1.0Vの5WなのでUSBより早く充電が終わります。

ただバッテリーがリチウムイオンなので継ぎ足し充電でも性能劣化はほぼないのでその都度で充電すれば問題ないでしょう(スマホ、PC、モバイルバッテリーなど)。
主な機能
まずは操作系統を見て行きましょう。

無駄にボタンが多くなくシンプルでわかりやすいです。
全部の機能を紹介するとかなり多くなるので代表的な機能を見て行きましょう。
電源を入れていきます。

この状態で写真、動画が撮れます。
十字キーのディスプレイを押すと表示が変わります。現在のモードor詳細情報、グリッド表示ができます。


他にもマクロモードオンオフ(接写モード)、フラッシュ設定、タイマー設定が十字キーで出来ます。
撮った写真はプレビューボタンで確認できます。プレビュー中にズームボタンを押すとサムネイル表示に変わります。


次に左下のモードボタンを押してみます。

撮影モードが選べます。
撮影モードはメインが7種類でそれぞれにさらに細かく設定があるのでかなり豊富です。
自動モード、プログラムAE、手動モード、動画モード、シーンモード、パノラマモード、美肌モード
手動モードだとメイン画面でセットを押すと絞り、シャッタースピード、露出補正、ISO感度が弄れます。

最後に右下の設定ボタンを押します。

オートフォーカスの設定、画質などの設定が選べます。
測光方式設定、画素数設定、連写オンオフ、連写モード設定、オートフォーカス設定、HDRオンオフ
オートホワイトバランス設定、画質設定、システム設定
ここまでが普段、よく使う機能になると思います。
他にも撮った写真を編集する機能や動画の撮影モード、編集などがあるのでより詳しく知りたい方は公式を参考にしてください。
機能全般的に実勢価格2万円台と考えるとかなり豊富な機能だと思います。私はあまり写真に詳しくないので基本、自動モードを使うことになりますが写真撮影に凝りだしたら各種設定を弄って楽しめそうです。
テストショット
実際に写真を撮っていきます。
私がよく使うであろうマクロオン、シーンモードの手振れ補正で撮影します。

なかなか悪くないような気がします。
撮影時に気になった点は手振れ補正が弱めなこと、カメラのディスプレイは画像が悪くカメラで写真の出来栄えを確認するのは少し難しくPCなどに取り込むことです(ピンぼけくらいはわかる)。

ちなみに写真の取り込みはSDカードかUSBケーブルでPCなどと繋いで転送します。私の場合はSDカードは取り出しが面倒なので本体とPCをUSBで繋げてます(wifi、Bluetooth機能はなし)。
他にも同じモードでいくつか撮ってみました。



次は自動モードを使って外で撮ってみました。



屋内より外での太陽光下のがよく写っているように見えます。
実勢価格2万円台を考えるとまずまずの出来だと思います。
iPhone12との簡易比較
iPhoneの最新は16ですが私の手持ちがiPhone12なので12でスペックを比較してみます。

ざっと表を見た感じでは写真だとコダック FZ55で動画だとiPhone12が勝るように見えます。
実際に似た構図、条件で写真を比較してみます。




私の感覚としては甲乙つけ難くどちらもなかなか良いようにしか見えませんでした。違いとしては色味、輪郭のボケ具合でしょうか。この辺は設定などの影響もあるので一概に判断するのが難しいです。
ズームは比較していませんがコダック FZ55は光学5倍なので圧倒的に良いです。
結論としては最大の違いは使い勝手になると思います。
当たり前ですがコダック FZ55はカメラなので写真を撮るのに適した形状なのでスマホより楽に正確に撮れます(スタイルの違い)。
またカメラの設定変更の容易さももシンプルな設計なのでコダック FZ55に軍配が上がると思います。もっともiPhoneはカメラではなくスマホでミニパソコンのようなものなので仕方がないと思います。
まとめ

実勢価格2万円台でiPhone12よりちょびっと高性能なカメラでかなりコスパが良いと思います。
しかも当たり前ですがカメラなだけあって撮影に適した形状、わかりやすい操作、設定はスマホに圧勝です。
細かいことですがiPhoneからwindows PCへの写真の取り込みは拡張子の違い(HEICでwinマシンでは扱えない)やI-cloud(即応性がない)を使うので少し面倒ですが本製品だと繋げるだけでオッケーなのでかなり楽です。
上記の理由からいくらカメラで使いやすいとは言え手持ちのスマホより明らかに性能が劣っていると購入意欲が湧きませんがちょびっと性能が高いのがポイントだと思います。
また本体価格も2万円台なので壊れてもあきらめもつくギリギリの価格だと思うので軽量、コンパクトな特長を活かしてガンガン使えるおススメアイテムです(スマホやミラーレスが壊れるとかなりキツイ)。
以上、コダック FZ55のレビューでした。
・Kodak FZ55-BK
・Kodak FZ55-RD
・Kodak FZ55-BL
Kodakの公式ページを見ると2025年2月では青はないようなので貴重かもしれません。
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