今回は変わり種のICS スポーツライン M4 CQB クリアカラー固定ストックのレビューと分解を紹介します。
これは我が家でも最古参の一つ(残りは、マルイのM14 OD)で10年間、元気に動いてくれたものです。今も動きますよ。
これは実はカミさんのです。このクリヤカラーが気に入ったようで当時、少し流行った生き物の名前クリオネと呼ばれています。

私のだ!!良きにはからえ



頑張ります
これは初心者のレンタル銃として使われたり軽いので筆者のハンドガン代わりに使われてきました。
バレルの掃除などの通常整備は実施していましたが本格的な整備はしておりません。一度だけリポ使用のためスイッチが焼けたので分解してヤスリで擦って接点保護グリスを塗っただけです。
なので今回はオーバーホールを兼ねていつものハイレスポンス、ハイサイクル、長かけホップセットを進めていきます。
また10年使うとどうなるかの参考にしみてください。
さらに分割メカボックス以外は超スタンダードなM4(AR-15)なので分解、組み立ての手順の参考になるように詳しく解説していきたいと思います。
なるだけこれから自分でいじってみようという人の一助になれば幸いです。
ここからレビューに入ります。
外観
流石に十年ものなので箱がどこにあるかわからないので本体から見ていきます。


このM16A3を短くした感じが今となっては新鮮です。ハンドガードは潔くレールなしのキャリングハンドル付きです。しかも固定ストック。
マガジンは何故か付属品は、カナディアンタイプでした。
逆サイドです。


シンプルすぎて語ることがありません。このXM177やCAR-15などのカービンにも全く似てないのもポイントです。
次に各部を少し見ていきましょう。
ボルトフォワードアシストノブがICSお得意の逆転防止ラッチ解除機構がついてます。これはグッドです。でも特別な機構はこれだけです。


ホップ調整部ですが10年前でこのドラム式を採用しているのが凄いです。たしかあの頃はマルイの次世代SOPMOD M4が出たばっかの頃です。


次は少し笑ったところなんですがなんとこの製品はサイバーガンの公式ライセンスを取得していました。このクリアカラーかつ謎のCQBで公式です。だからこのカラーでフル刻印が入っている貴重なレシーバーです。


サイトピクチャーです。懐かしい感じがします。たまにここにドットを乗せると案外、良かったりします。


バッテリーは定番のハンドガード内でかなりの容量のバッテリーもいけます。CQBなのに先端に着剣ラグがついていてポイントが高いです。


しかしバレルが短すぎて着剣できないという謎の着剣ラグです。


かなり面白い製品です。今は、ICSでサイバーガンのライセンスを持っていないと思うのでこのような製品は今後、難しいと思います。
10年モノの実射性能
いつもの実射性能を見ていきます。
条件はET-1 REDLINE 7.4V 1400mAhで保管電圧7.5V(今回、低めです)で東京マルイ バイオ 0.2gでホップ目盛り0で測定します。
まずセミオート


なんか思ったより良い数字が出ました。何発か測定したばらつきが±1m/sだったので弱冠、分解しなくてもいい気がしてきました。
次にサイクルです。


バッテリーの電圧が低いにも関わらずこれだけ出てたら良いのではないかと思ってしまいます。おそらく満充電8.4Vで秒間17発くらいいけそうな感じです。


次にレスポンスです
セミオート
ICS SPORT LINE M4 セミ ノーマル動画です。音に注意
まあまあついてきます。
次にフルオート
ICS SPORT LINE M4 フル ノーマル動画です。音に注意
これもまあまあですね。
でもやっぱりピニオンの音がうるさいので要調整ですね。
まあ個体差はあるものの海外製を箱だしで分解メンテナほぼなしで10年使った結果の参考にしてください。(たぶん少なくとも5万発は撃っているはず)
同じ製品は売っていませんがICS スポーツラインシリーズは生き残っているのでその内の一つだけ紹介させていただきます。
性能はほとんど同じだと思います。
ここから分解していきます。手順はSTD電動ガンのM4の典型的な構造です。
外装の分解方法
外装を分解していきます。
アウターバレル取り外し
今回は総オーバーホールなのでアウターバレルをレシーバーから外します。普通のレールのRIS,RASも一緒です。


ここでデルタリングを図の溝に合わせるとスプリングと一緒に外れます。


そうするとスプリングがビョンと出てきます。その奥の赤矢印がついている部品がねじ込まれているので回せば取れます。


これでアウターバレルが外せます。ここの部品がバレルを支えているので負荷が高いので緩んでいたり変形してたりするのでよく見ておいてください。またできればたまに増し締めすると良いです。


これがアウターバレルです。長さを変えたい人は芋ネジを取り外して好きなバレルを取り付けることになります。今回は変えません。バレルを変えたりレールを変えたりする人はここからは元に戻せば終わりになります。


ここでチェックポイントなのですが樹脂レシーバーの場合に写真の赤印のところとネジ部が変形していたりするとちょっとまずいかもしれません。


ここでバレルの位置決めをしているので弾道が狂ます。よく言われる首の強度、剛性が弱いというのはここのことです。
どうしても治すのだったらパテ埋めやアウターパーツで出ている補強品を使うとかになります。
幸い本製品は変形などの異常が見られないのでそのままいきます。ただ流石に緩んでて首がぐらついていたので高強度ネジロックをつけて組み立てます。


アッパーレシーバー取り外し
写真の赤いピンを抜きます。ICSは分割メカボックスなのでここで黄色のピンも抜いちゃいます。普通はまだ抜けないかダミーになっています。


ちなみにピンを抜くときは次のような工具があると便利です。まあ、最小限でいえばプラハンと六角レンチで叩いても取れますがやりにくいのとレンチが曲がるのであまりオススメしません。


筆者はバイク、クルマでもシグネットを使います。コスパが良いです。
・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。
・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。
・ベッセル プラスチックハンマー
安くて頑丈で長持ちします。サイズはコントロール、パワーのバランスで1ポンドがオススメです。
ここまできたらアッパーレシーバーを前方にずらすとレシーバーとホップチャンバーが外れます。黄色は抜いたピンの場所です。


取り外したアッパーレシーバーにメカボが残ります。


写真の下方向に引っ張れば取れます。ホップチャンバーも取れます。ホップ、インナーバレルだけをいじる人は、ここで終わりです。


次に本来は必要ないのですが邪魔なのでストックを外します。ストックは後ろの2本のネジで止まっているので外すだけです。


伸縮式の人はストックを取ってからバッファーパイプ内の奥にパイプを止めているネジがいるので長いドライバーで外してください。後方配線だとパイプ内にバッテリ配線があるので傷つけないように気をつけましょう。


構造は伸縮式も一緒です。配線が隙間から出てくるだけです。
モーター外し
次にロアレシーバーを分解するためまずグリップとモーターを外します。ネジ2本ですね。


そうすると蓋が取れます。ここで注意ですがモーターの位置調整用に薄い円盤(シム)が入っていることがあるので無くさないようにしましょう。海外製だと半々の確率でありません。


モーターの端子を外します。できればピンセットで端子の金属部分を掴んで外しましょう。そうしないと最悪では、モーターの端子が折れます。


そうすればモーターが抜けるのでグリップを外します。写真の赤い丸のネジ2本です。割としっかり止まっていることが多いです。


そうすればグリップが抜けます。配線の皮膜が破れててショート寸前でした。危ない危ない。


ロアレシーバー分解
ここまできたら前方配線の場合は配線止めを外します。後方配線はここで配線が固定されていることは少ないのでこの工程はありません。


ここでメカボを抜く前にセレクターはセミの位置がオススメです。組み立ての時に楽です。


後は、マガジンキャッチボタンを外せば終わりです。これは普通にネジを外すだけです。そうするとバネとボタンがビョンと出てきます。VFCだとここにネジが無くてマガジンリリースボタンを死ぬほど押して反対側に出てくるレバーを反時計周りに廻せば外れます。


後はメカボックスを引き抜くだけです。(STDメカボックスだともう一箇所ピンを抜かないとダメかも)そうするとアッパー、ロアレシーバーが外れます。レシーバー交換の人はここで部品を交換して組めば終了です。
しつこいですが樹脂フレームの人はアッパーのバレルの取り付け部はよく見ておいてください。割れてたり変形してたりすると再利用は厳しいかも知れません。


最後に分解が完了したロアレシーバーです。


これで外装は全て分解できます。
分割メカボじゃない普通のメカボのSTD 電動ガン M4系をご覧になりたい方はこちらでやっておりますので参考にしてください。(VFC M4)です。


ただしそちらではアウターバレルの取り外しなどを詳しく紹介していないのでほとんどこれと同じなのでこちらを見て頂いて補足で見る感じが良いと思います。
ここまで慣れると十五分くらいで分解できるのM4系は楽です。特に樹脂フレーム系は良くも悪くも硬く部品がハマっていたりとんでもないトルクでネジが締結されていることが少ないので楽です。
しかもここまでで使用した工具は、ドライバー一式とポンチ、プラハン、台座くらいです。
ここで外装が全て終わりでキリがいいのでメカボは次回に紹介します。


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