前回まででバトン BGー17 CO2 GBB(グロック17 GEN.5)の分解とカスタム方向性を紹介して来ました。
レビュー、分解を通じて見えてきた課題、カスタム方向性をまとめていきます。
改善点と改修方法
まずはおさらいで改善点を挙げてみます。
・インナーバレルのホップ窓形状が好みではない
・初速が少しだけ物足りない(試作品のレビューと比較すると少し低い)
・リコイルスプリングのロッドの強度が心配
・トリガーフィーリングの向上
・ハンマーの耐久性
・マガジンのガスルートパッキン
初速に関しては単なるハンドガンとして使う分には十分だと思いますが、本製品はカービンキットなどで長モノみたいに使うことがあるかもしれないので少し上げてみます。
この辺を改修するのに考えられる手段が次の手段に決めました。
・インナーバレルのホップ窓形状が好みではない→インナーバレル交換
・初速が少しだけ物足りない(試作品のレビューと比較すると少し低い)→組みながら方法を考える、目標は0.2g適正ホップで83〜85m/s
・リコイルスプリングのロッドの強度が心配→丁寧に組み直す
・トリガーフィーリングの向上→トリガーorフレームの加工
・ハンマーの耐久性→ハンマースプリングの交換
・マガジンのガスルートパッキン→丁寧に組み直す
に加えて各摺動部の研磨、グリスアップで作動性向上
で進めていきます。
基本方針は決めたもののカスタムしながら思いついた改善点があれば随時、改善していきます。
では実際にカスタムを進めていきます。
シャーシの組み立て、カスタム
まずはハンマーユニットから組んでいきます。
執筆時点(2023年3月初旬)ではバトンさんから問題が出たハンマーユニットの対策品は配布されていませんが2023年3月〜4月を目処に対策品が配布されるようです。
バトンさんにハンマーの組み替えを頼めば交換してもらえる(おそらく混雑して時間が掛かる)と思いますが、自分で交換に挑戦する方もいると思うので少し詳しく紹介して行きます。
ハンマーユニットの組み立て
まずハンマーユニットが収まるフレームを加工していきます。
加工場所は次の写真で具体的に紹介しますが考え方の基本は部品の摺動面をピカピカに研磨していきます。
ハンマーユニットフレーム側面.1
ハンマーユニットフレーム 側面.2
ハンマーユニットフレーム 上面(ここではハンマーユニットが入る内側も研磨します)
これをリューターで研磨していきます。
まずは粗めの砥石で塗装が剥げるまで磨きます。
その後、仕上げにバフを使います。
・ドレメル ハイスピードロータリー4000
いつも使っているオススメリューターです。これがあるとDIY加工の幅が拡がります。人気機種で3000と4000がありますがツールもセットになってパワーがある4000がオススメです。
ハンマーユニットの研磨後の写真です。
ハンマーユニットフレーム 側面.1 研磨後
ハンマーユニットフレーム 側面.2 研磨後
ハンマーユニットフレーム 上面 研磨後(上の写真とは向きが違います)
この研磨したフレームをスライドに通してみて感触を確認します。
ここでスムーズに動けばオッケーです。
次にハンマーを組んでいきます。
最初のステップで必要な部品は以下の写真の部品になります。
これらの部品も組む前に軽くバフで磨きます。
ここでハンマーユニット破損の対応としてハンマースプリングの交換を検討しましたが、ハンマーを見たところ破損する気配が感じられないので純正スプリングで組むことにしました(壊れても間もなく対策品が配布される良いうのも理由)。
まず組む前にこれらの部品は可動部品なのでベルハンマー No.2 ゴールドグリスを塗ります。
・ベルハンマー No.2 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.2はNo.0と同じ成分で粘度が硬めになります。私は基本的に金属ー金属パーツに使います。
これで下準備が完了したのでハンマーユニットを組んでいきます。
ハンマーの組み方をわかりやすくするために仮組みしていきます。
注意点としては
・ハンマーの又の間にノッカーを入れること
・ハンマースプリングの位置の確認
・ローラー?の位置の確認
です。
この状態になるようにハンマーユニットフレームに組み込みます。
この組み立てでいきなりピンを使うよりは上の写真のようなピンポンチを利用すると簡単に組めます。
・シグネット ピンポンチセット
高級ブランドではありませんが、自動車業界ではコスパが良い中級ブランドでおススメです。しかも安いです。
このピンポンチでハンマーを仮組みした状態でピンを挿入口に当て込みます。
このままポンチを抜きながらピンを叩き込みます。
上手く組めると次の写真のようになります。
背面
側面
次にハンマーユニットの残りの部品を組んで行きます。
残った部品はこちらです。
こちらの部品も摺動部はバフで研磨してベルハンマー ゴールドグリス NO.2を塗ります。
次に部品を配置していきます。
この状態でピンを入れてシアーSPGをノッカーに掛けます。
上手く行けば次の写真のように組めます。
後は残ったノッカーロック、ノッカーロックSPGを組めば完了です(組む前にバフ研磨、NO.2グリスを塗る)。
これでハンマーユニットは完了です。
トリガーの調整
次にトリガーフィーリングが引っ掛かる感じになるのを対応していきます。
まず原因を探るために仮組します。
原因はセーフティがトリガープル時に解除し切れなくフレームと干渉していることが原因でした。
主に解決する方法は2つで
1、トリガーのセーフティ部を削る
2、フレームを削る
の2択だと思います。
ここでセーフティを削る手法でやってみたのですが、トリガーフィーリングは改善されたものの折角のトリガーセーフティが機能しなくなりました(失敗したので純正パーツを取り寄せました)。
なので2番のフレームを削る方法を紹介します。
削る箇所は次の写真の位置になります。
ここを平ヤスリで丁寧に極少量だけ数ります(やりすぎるとセーフティが機能しなくなるので注意)。
削ったら仮組み直してフィーリング、セーフティ機能のチェックをして問題なければ完了です。
・ダイヤモンドヤスリセット
コスパが良いダイヤモンドヤスリです。特に丸棒ヤスリは重宝します。5本組がオススメです。
次にトリガーバーの摺動部を磨いていきます。磨き方はこれまで同様にリューターの砥石で粗加工の後にバフで仕上げます。
シアーとの接触部
フレームとの接触部
組む前にシアーとの接触部はベルハンマーグリス No.2、フレームとの接触部はベルハンマーグリス No.0を塗ります。
・ベルハンマー No.0 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.0は粘度が低いグリスです。私は基本的に樹脂パーツ同士、樹脂ー金属パーツにはNo.0を塗っています。
これでトリガーの調整は完了です。
フロントシャーシ部
次にフロントシャーシ部を仕上げていきます。
構成部品は次のようになります。
まずはフロントシャーシの摺動部を研磨していきます。
研磨箇所は次の写真の位置になります。
フロントシャーシ 側面(両面加工する)
フロントシャーシ 上面
研磨方法は上記で紹介したリューターの砥石で粗加工、バフで仕上げです。
フロントシャーシ 側面 研磨後
フロントシャーシ 上面研磨後
これをスライドに仮組みし動きを確認します。
スムーズに動けば完了です。
シャーシの組み立て
下ごしらえが終わったのでシャーシを組んで完成させます。
最初にトリガー、ハンマーユニットを組んでいきます。
順番はトリガーAssyを入れてからハンマーユニットを組み込みます。ここで稼働部、摺動部にグリスを塗ります(金属ー金属はNo.2、金属-樹脂と樹脂-樹脂はNo.0)。
ピンを入れる時はピンポンチ、作業ブロックを使うと便利です。
・イーグルフォース メンテナンスベンチブロック ハンドガン用
あるとかなり便利です。しかもハンドガン用で長モノにも十分、対応できるので重宝します。むしろ同社のM4用は個人的に必要性を感じませんでした。
次にスライドストップにスプリングをセットします。
これをトリガーに設置しフロントシャーシを組みます。
後は残りのテイクダウンレバー周りの部品を組んで完成です。
この組み込み部分はシャーシ分解編を見た方が分かりやすいので詳細を知りたい方はリンクで飛んで見て下さい。
完成したら各稼働部の動作チェックし問題なければ完了です。
まとめ
ひとまずシャーシは組み終わりました。各部の動作確認をしたところスムーズに動いてくれたので成功だと思います。問題のトリガーフィールも改善されました。
ただしトリガーフィール改善加工の注意点としてトリガーを加工するのではなくフレームをほんの少しだけ加工して対応することをお勧めします(セーフティは機能した方が良いと強く思う)。
また話題のハンマーは私の個体では問題なさそうなので予めグロック マルイ比 150% ハンマーSPGを用意しましたが使いませんでした。ただSPGの交換、ハンマーの交換を予定されている方にやり方が参考になるように丁寧に手順を紹介しました。
カスタムした全体の感想としては特に変わった機構もなくスタンダードなメカだったのでさほど難しくなく丁寧に研磨し、組んでいくだけで完了でした。
次回はスライド、マガジンをカスタムして完成させていきます。
またガスブロのメカニズム シャーシ編記事があるので良かったら覗いてみて下さい。よくに記事内容と本製品グロックは構造がかなり似ているので製品をお手元で眺めながら読んで頂けると理解しやすいと思います。
以上、お付き合いありがとうございました。
・バトン BG-17 CO2 GBB(グロック17 GEN.5 MOS)
通販だとハンマーの対策前後が分からなさそうです。アマゾンだと直接、バトンさんへ飛ぶので問い合わせて確認しても良いかもしれません。
・バトン BGー17 スペアマガジン
耐久性が期待できそうなマガジンでした。
・バトン(PUFF DINO) CO2 12gカートリッジ
純正のボンベです。メーカーはPuff Dinoですがバトンさんが正規代理店で純正扱いになります。3ヶ月の保証を受けるにはこのボンベでないとダメのようです。6本、50本を選べます。
・マルシン CO2 12gカートリッジ
値段、品質のバランスはマルシンさんが一番だと思います。5本か30本のセットが選べます。ただしバトンさんの3ヶ月保証は受けらなくなります。
個人的なお勧めで私はエアソフト本体やパーツ関連の多くをアマゾンのプライム会員に入って購入しています。
意外と本体、パーツ共にラインナップが充実していて最安値では無いもののそこそこの低価格で安定的に購入できるので重宝しています(小物だと買いに行くのがめんどくさいので重宝)。
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