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Kazubara
サイト管理人
自動車メーカーの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計の技術を伝授します。仕事などのご依頼は下のお問い合わせボタンからご連絡下さい。

KSC AK74M system7two 簡易分解レビュー

KSC AK74M system7two フィールドストリップ分解

前回の紹介でKSC AK74M GBBの外観のレビューが終わったので今回はフィールドストリップ行なって軽くメンテした後に実射性能を紹介します。

では早速、フィールドストリップ分解をしていきましょう。

目次

分解(フィールドストリップレベル)

トップカバーを外します。外し方は写真のボタンを押しながらカバーを取り外します。

KSC AK74M system7two トップカバーロックボタン解除

トップカバーが外れると次の写真のような状態になります。

KSC AK74M system7two トップカバーを外した状態

リコイルスプリングはただ単にハマっているだけなので簡単に取れます。

リコイルスプリングは次のような形状をしています。ちなみにあまりお勧めしませんがボルトが当たるところを外せばフルストロークになります。

KSC AK74M system7two リコイルスプリング

次にボルトを取り外します。ハンマーをコッキングしておかないとボルトが取り外せないのでボルトを手前に引いてハンマーをコッキングさせます。

KSC AK74M system7two ボルトの取り外し

少しコツがあってこの製品の場合はブローバックエンジンのノズルがハンマーに引っ掛かるのでノズルを少し押してやります。

KSC AK74M system7two ノズルを押す

次の写真の位置まで押せば取り外せます。

KSC AK74M system7two ノズルを押し終わり

そうすればボルトが上方に取り出せます。

KSC AK74M system7two 取り外したボルト

ボルトの細かいところを見ていくとまずロッキングラグです。

KSC AK74M system7two ロッキングラグ

オスのロッキングラグが再現されていますが樹脂製です。

次にブローバックエンジンです。

KSC AK74M system7two ブローバックエンジン

かなり径が大きいガスシールが入っています(薄黄色い部品)。これが強力なブローバックを生み出しています。

もし良かったらガスブロの作動メカニズムの紹介をしているので良かったらみてください。スライドをボルトと見れば同じ原理です。

最後にAKの作動方式の特徴のロングストロークピストンの先端です。

KSC AK74M system7two ピストン

本物はここで燃焼ガスを受け止めるので煤で汚れるのですがこれはガスガンなので綺麗なままです。

ボルト全体の重量は206gとなり重くもなければ軽くもない普通の重さでした。少し軽めで作動重視の設定という気もします。

KSC AK74M system7two ボルトの重量

ここまでがボルトの紹介でかなりリアルにできています。

本体のハンマーメカを覗くとかなりリアルにできています。

KSC AK74M system7two ハンマーメカ

ハンマーが寝た状態です。

各部品は焼結で製作されており基本的に鉄なのでかなり丈夫だと思います。ちなみに焼結とは鉄の粉と接着剤みたいなのを混ぜて型に入れて焼き固める製法です。

鋳造、鍛造に比較し形状の自由度がかなり高いのが特徴ですが鉄粉を固めているだけなので鉄の割には強度が低めです(エアガンとしては十分)。ちなみにアメリカが焼結が得意で1900年頃から拳銃などの内部部品で多く採用されている製法です。

この製法は鉄粉の成分や接着剤の成分、分量などにかなりのノウハウが必要で難しい製法です(KSCさんが得意)。

次にサイドマウントを固定しているボルトを紹介しますがネジロック剤を塗っておくことを強くお勧めします。

大抵の場合で緩んでいます。最悪、遊んでいる時にブローバックの衝撃でサイドマウントが外れます。

KSC AK74M system7two サイドマウント締結ボルト

・ロックタイト 高強度263  ネジロック
注意点としてこのネジロック剤は樹脂への攻撃性がありますので金属だけに使った方が良いと思います。

次にハンドガードを取り外していきます。リヤサイト付近にあるレバーを起こします。

KSC AK74M system7two アッパーハンドガードロックレバー

後はハンドガードのアッパーが外れます。

KSC AK74M system7two アッパーハンドガード

このハンドガードの中をボルトのロッドが通っています。

次にロア側のハンドガードを外します。ハンドガードの銃口側に付いているレバーを起こします。

KSC AK74M system7two ロアハンドガードロックレバー

ここまでがフィールドストリップレベルの分解になります。

KSC AK74M system7two フィールドストリップ分解

基本的なメンテナンスはここまでの分解で済むと思います。

もしインナーバレル、ホップパッキンなどの交換をする場合は次の写真のボルトを外せばアクセスできると思います(まだやっていない)。

KSC AK74M system7two バレル固定ボルト

かなり強固に固定されているのでバレルのぐらつき等はほとんどありません。

最後にホップチャンバーを見てみます。

KSC AK74M system7two ホップ調整ダイヤル

KSCさんにしては珍しく工具不要でダイヤルで調整できます。ちなみに分解しなくてもコッキングハンドルを引けばアクセスできます。

KSC AK74M system7two イジェクションポートオープン

個人的にはガスブロのM4で見られるようにメス側のロッキングラグの造形があると嬉しかったです(まあ、しょうがない)。

組み立ては逆の手順で実施すれば簡単に元に戻ります。

私の場合は稼働部、摺動部にはいつものベルハンマーのNo.2グリスを塗ってホップパッキンやガスルートにはKSCさんのシリコンオイルスプレーを塗布して組みます。

・ベルハンマー No.2 ゴールドグリス
定番の超優良グリスです。No.2はNo.0と同じ成分で粘度が硬めになります。私は基本的に金属ー金属パーツに使います。

・KSC 純正 新ガンオイル 430ml
シリコンスプレーは何でも良いのですがKSCさんのは容量が多いので便利です。

実射性能確認

ここから実射性能を確認していきます。ちなみに全くの無改造品で定期メンテをしながらそこそこ使い込んだ個体になります。

条件はガス、HFCー134aをマガジンにガス満タンにして表面温度を22℃にしました(外気温20℃くらい)。

ただしいつもと違ってマガジンが樹脂に覆われているので実際のガスタンクの表面温度が分かりません。おそらくマガジンの表面温度以下だと思います。またマガジンが樹脂に覆われているので外気温の影響をかなり受けづらいので寒さに強そうです(樹脂の断熱効果)。逆に暖めようとしてもなかなか暖まらないので注意してください。

弾はS&Tの0.2gのバイオ弾です。

初速です。

KSC AK74M system7two 初速、0.2gで88.46m/s

0.2gで88m/sとかなり高く弾速計に記録されている通り連続射撃23発目でもこの初速であまりぶれないのでかなり性能が高いです。

次にサイクルです。

KSC AK74M system7two サイクル、秒9発

おおよそ毎秒9発なので毎分540発程度になり実銃の600ー650発に対して少し遅いです。もっとも外気温が上げれば上昇するし寒くなれば下がるので参考程度にしてください。

初速計のレビューも良かったら覗いて見て下さい。

次に燃費を見ていきましょう。

まずマガジンの空の重量、ガス満タンの重量です。

KSC AK74M system7two 空のマガジン重量
KSC AK74M system7two 空のマガジン重量
KSC AK74M system7two ガス満タンのマガジン重量
KSC AK74M system7two ガス満タンのマガジン重量

信じられませんがガスが64gくらいも入りました。

次に42発を適当に連続で撃ち終わったマガジンの重量です。

KSC AK74M system7two 1マグ撃ち切りマガジン重量

42発で12gほど消費しています。計算すると一発当たり0.285gの消費になります。長モノでストロークが長い割に燃費が良いことがわかりました。

さらに42発ほど追加で撃ってみました。

KSC AK74M system7two 2マグ撃ち切りマガジン重量

42発で11gほど減りました。

この後、動かなくなるまで撃ちましたが合計で3マガジンと半分まで弾が発射されたのでかなり優秀な性能です(147発ほど)。

次に実射動画です。3マガジンほど撃った後にマガジンを空撃ちモードにしています。

KSC AK74M ガスブロ セミ

KSC AK74M ガスブロ フル

かなり元気に動いています。音が半端じゃなくうるさくてかなり雰囲気が出ています。

ちなみにトリガープルは程よい重さですが2ステージトリガーではありません。ただしシアーが落ちるところはわかります。

AKのメカニズムの理解のために外せるカバーを外して動作させた動画です。かなり危ないので真似する時は気をつけましょう。

KSC AK74M ガスブロ フル フィールドストリップ作動

こんな感じで性能に不満がないので珍しく一切のカスタムをしていません。もしいじるとしたら初速が高すぎるので下げるくらいでしょうか(フローバルブスプリングを少し切るだけ)。

かなり完成度が高いです。

弾道については最近使っていないのでうろ覚えですが40mくらいまで低伸弾道でそこから上昇して45mあたりで頂点を迎えるような弾道だった気がします。

残念ながら無くなった山梨のインドアフィールド、アジトさんでのガスブロ野郎祭りで無双状態になってしまったので午後に封印したくらい弾道が良かったです(当時は長物のガスブロが少なかった)。

2021年7月末にヤネックスさんで弾道確認をしてきました。

条件は外気温32℃くらいでガス満タン、弾はG&G バイオ0.2gで初速が96m/sも出ていました。弾道はかなり酷くストライクが入らない沢村賞級の変化球シュートでとてもじゃないが使えません。

原因はホップパッキンが経年劣化で完全に終わってました。近々、ホップパッキンの交換をしていきます。ちなみに所有してから5年以上経っての性能でこれだけ出ているのでかなり耐久性は高いと思います。

・G&G バイオ弾 0.2g
安くて精度が良いので性能確認からサバゲーまで広く使っています。日本に入ってきた頃から使ってるお気に入りです(2008年くらい)。バイオの割に日持ちします

・G&G バイオ弾 0.25g
0.25gです。基本は0.25gでサバゲーしています。

おまけでLCTの電動AK74NVとの比較

AKで評判が良いLCTさんの電動のAK74NVと外観の比較です。

KSC AK74M system7two とLCT AK74NV

反対側

KSC AK74M system7two とLCT AK74NV 左ビュー

どちらも似たような良い出来です。

外観の大きな違いの一つはLCTの外装のほとんどが鉄でできているので質感と重さはKSCとかなり異なります。

もう一点の大きな違いはグリップの形状でガスブロのKSCさんのが遥かに細く出来ています。

KSC AK74M system7two とLCT AK74NVのグリップ比較

ちなみにロシアの光学機器を持っていないので似ていると思うUFCさんのCーMOREタイプのドットサイトを乗せています。

サイトピクチャーは、次のような感じで程よい高さでマスクをつけるとちょうど良い高さになります。

KSC AK74M system7two ドットサイトビュー

・ノーブランド AK サイドマウント QD式
私の個体では調整は必要ありませんでしたがモノによっては調整が必要かも知れません。

・ノーブランド  C-MOREタイプドットサイト
私の手持ちはUFCさんのものですがUFCさんが有丹生代理店なので一般に販売されているノーブランド品とほぼ同じだと思います。

まとめ

この製品は2012年頃の製品ですがかなり出来が良くて最近のガスブロと性能、外観など劣るような部分はないと思います。

外観もかなり良いし、実射性能も弄りようがないくらい良いです。もしやるとしたら古くなったホップパッキンをそのまま新品に変えるくらいしか思いつきません。

5年以上ほど所持して使ってますが特にトラブルもなく使えています。経年劣化によるガス漏れやノズルの変形によるジャムの多発などないです。ただし振動で緩むネジが数箇所あるのとホップポッキンが完全に死んでました。

今度、発売される東京マルイさんのAKMがどのような性能になるのかは全く想像できませんがKSCさんのAKが引けを取るようなことはないと思います(東京マルイさんだからかなり実射性能は良いと思う)。

意外と価格もマルイさんが執筆時点の情報では税込で65,780円でKSCさんが税込で54,800円で安くお得な感じがします。

しかしながら唯一にして最大の欠点がマガジンで税込価格で8,690円とお高いのと重量がフル装備で一本850g近くあることです。私は4本ほど持っていて3本はポーチに入れてますがそれだけで2.4kgでガスブロハンドガンを3丁抱えているのとあまり変わらない重さで運用しています。地味にこの重さが疲労につながります。

東京マルイさんのマガジンの値段は執筆時点で分かりませんがM4のマガジンが4,000円くらいで安かったので同等程度と思われます。

そもそもAK74MとAKMで機種が異なるので競合しないのですが単にAKのガスブロが欲しいなという人がいたらKSCさんのも候補に入れて本記事を参考にしていただけると幸いです。

ちなみに私はAK74系の形が好きなので東京マルイさんのAKMの購入は保留中です。

以上、今更ですがKSCさんのAK74M GBBの紹介を終わります。

ホップパッキンが終わっていることが判明したので次回、ホップパッキンの交換を紹介します。

・KSC AK74M ガスブローバック システム7 two
最近のKSCさんはかなり元気で再販が掛かりました。お勧めです。

・KSC AK74シリーズマガジン
よく市場から在庫が消えるのであるうちに確保することをお勧めします。

・KSC AKS74U ガスブローバック システム7two
本記事のKSC AK74と性能、構造がほぼ同じのショートモデルです。いわゆるクリンコフです。

・KSC KTR-03 ガスブローバック システム7two
KSC AK74タクティカルモデルです。構造、性能はAK74mと同じだと思います。

個人的なお勧めで私はエアソフト本体やパーツ関連の多くをアマゾンのプライム会員に入って購入しています。

意外と本体、パーツ共にラインナップが充実していて最安値では無いもののそこそこの低価格で安定的に購入できるので重宝しています(小物だと買いに行くのがめんどくさいので重宝)。

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まずは無料体験からお勧めします。

KSC AK74M system7two フィールドストリップ分解

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この記事を書いた人

自動車メーカーの元エンジン設計者。15年の職務経験から機械設計の技術を伝授します。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 材料等や製法にまで記載があり、とても面白い記事でした!
    ところで付属の6角レンチのサイズって把握されてますでしょうか?
    チャンバーにアクセスしたいのですが、フロントサイトブロックの6角が緩められず困っています。

    • お豆太郎さん
      ありがとうございます。
      付属のレンチのサイズはわかりませんが当方で調べたところ六角のサイズは、2.0でした。
      良かったら試してみてください。

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