今回、紹介するのはUMAREX/VFC HK VP9(SFP9) DX spcialcombo/JP versionの箱出しレビューです。
発売が2016年で今更感があるのですが、改良が加えられているらしいのと執筆時点の2021年6月で日本に入ってきたらしいので紹介してみます。購入ロットはおそらく2021年5月輸入分のモノを購入しました。
2020年の夏に自衛隊の正式拳銃がVP9になると発表されて話題になったモデルのガスブロです。
特に私は自衛隊好き(一国民として尊敬している)ではないので、それほど気にならなかったのですがHK社の最新設計のストライカーポリマーオートなので買ってみました。
どうせなのでSTDではなく金属製のサイト、エキストラクターなどが付属しているDXバージョンを購入しました。
では紹介していきます。
外観と付属品
今回は購入したてなので本当に箱から出すところから見ていきます。
まず箱をオープン。
流石にビニール袋だけは取り外しました。
以前に紹介した同社のGLOCK19X と異なって油でテカテカになってはいませんでした。
ここからはいつも通りのサイドビューです。
反対側
如何にも最新型のストライカー式ポリマーオートな感じです。
セーフティはトリガーセーフティのみになります。
各部を少し詳しくみていきましょう。まずはスライドの刻印です。
HKのVP9と9mmx19の刻印が入っています。またスライドリリースレバー付近に会社とドイツ製の刻印が入っています(もちろん本製品は台湾製)。
スライドの後方を見てみます。
この製品の特徴の一つで、スライドをコッキングするときに指を引っ掛けるパーツが付いています。
これが意外と便利です。理由は次回の記事で説明します。
次にグリップ下にある刻印です。
VPと刻印が入っています。あまりこの銃に詳しくないのですがSFP9の刻印はどこにも見当たりません。
少し調べるとアメリカモデルの名前がVPらしいです。流石にヨーロッパで国民拳銃を意味するVPは歴史的にまずかったんですかね?
反対側のスライドの刻印を見ていきます。
アンビのスライドリリースレバーと排莢ポートにHK 9mmx19とおそらく認証のニトロプルーフマークがあります。レール前方にHK社の正式ライセンスを示すマークがあります。
次にスライドオープン状態です。
反対側
スライドリリースレバーの位置が1911やグロック系とは異なり、どちらかというとSIG P226に近い感じの位置にあります。
このレバーが服などの引っ掛かり防止に対応していて出っ張りが少なく操作しづらいです。
最も最近のトレンドではレバーではなくスライドの再コッキングで確実に装填する方法がメジャーなのでこれで良いのかもしれません。
またスライドですがガスガンか?と思うくらい引くのが重く(指を引っ掛けるパーツが有効)、推測するに原因はハンマースプリングが強すぎるためだと思われます。ハンマーが倒れればスムーズに動くので間違いないと思います。
これはカスタムで対策していきます。
次に握り心地を見ていきます。この製品は付属のグリップパネルを交換することにサイズが変えられますが、今回は箱出しのMサイズで試していきます。
ちなみに私は身長175cmで体重70kgの典型的な日本人で、少しだけ指が長い標準的なサイズの手です。
なかなかの良いサイズで、よく考えられている形状のグリップです。
以前はHK45のスパイダーグリップで感動しましたがそれ以上の良さがあります。
次にトリガーガード周りを見ていきます。
いつもの如く“マニュアルを読め“とレール部にシリアルナンバーがあります。
このトリガーガードがかなり絶妙な形状で指が通る空間が大きいけれども枠自体はさほど大きくないという素晴らしい形状になっています。
次にマガジンリリースレバーです。
これが感動するくらい進化しています。
HK社のUSPから見られるトリガーガード根元に設置してありますが、HK45ではもう少し単純な形状のため素手で扱うとトリガーガードとレバーの間に指の肉が挟まって血豆ができましたが対策されています。
参考までにKSC USP45。とても良い製品なので後にレビューします。
さらにHK45では不意に触れてしまって誤操作でマガジンを落として壊したことがあるのですが、VP9では絶妙な位置で誤操作が起きなさそうです。
ただし良いことばかりではなくてグリップサイズがMだと親指ではレバーに少し届かず、人差し指だと窮屈になり操作が難しいです。機械の設計では操作性の良さと誤作動は相反する課題で、非常に難しい課題なのは事実です。
グリップサイズを変更すればよくなると思いますが自衛隊ではどのように対応するのか疑問です(そもそも全員にグリップパネルを配るのか?)。
最後にサイトピクチャーとコッキングインジゲーターです。
まずコッキングしていない状態。
コッキングすると赤い点が出てきます。
サイト自体は私好みのドットタイプで非常に見やすいです。
コッキングインジゲーターはギミックとしては面白いと思いますがあまり実用的だとは思えません。
最後に付属品です。
少し詳しく見ていくとまずグリップパネルです。バックストラップのみでの調整は最近ではよくありますが、サイドのパネルまで交換できるのは流石の最新設計です。
次回のカスタム編で交換してみます。
次にDX SPECIAL COMBOに付属する金属製のサイトなどです。これもカスタム編で組み込んでいきます。
次はフィールドストリップを紹介します。
フィールドストリップ
スライドストップの状態にします。別にこの状態ではなくてもできるのですが私はこれがやりやすいです。
その状態でテイクダウンレバーを下げます。
あとはスライドを引き抜くだけです。
ではまず外れたスライドを見ていきます。
まずはリコイルスプリングです。普通のスプリングです。
次にアウターバレルを見ていきます。
ますサイドから。
次に向きを変えて見ていきます。
ホップダイヤルは昔の東京マルイさんと同じでスライドを外さないとアクセスできないタイプです。
バレル根元にアウターバレルを引くコイルスプリングがついています。これがとても面白い機構で、この製品ではショートリコイルをする際にアウターバレルのみが動きインナーバレル、ホップチャンバーはフレームに固定されて一切、動きません。
つまりベンチレストみたいな道具で射撃すれば顕著に解るのですが命中性能がかなり高いはずです。
向きを変えて見るとアウターバレルだけが作動するカムが付いています。
わかりやすい写真を紹介するとアウターバレルアッシーでフレームに取り付けができます。
つまり発射される弾はアウターバレルの動きやリコイルスプリングの影響を全く受けない構造になっています。よく考えられています。
次にホップパッキンです。KSCさんのような二又タイプですが少し傾いているので要対策です。
次にブローバックエンジンを見ていきます。下側が銃口方向です。
異形ピストン構造ですが普通の負圧式のガスブロです。面白いのが写真左横のノッカーリターン用の溝(銀色の所)が何故か別パーツになっています。理由がよくわからないのですが単なる耐久性確保かガスカットタイミングの変更を簡単に行うためのどちらかだと思います。
次にピストンです。
樹脂を機械加工するかなり凝った形状のピストンになっており、かなり巨大なので強烈なブローバックが期待できそうです。
次にノズルです。
ノズルの長さが長くて絞り形状も良さげなのでかなりの整流効果が出て性能が良さそうな感じがします。噂によりますと途中からノズルが少し長くなったらしいです。ちなみにノズルが弾の形状に似せているのが面白いです。
次に面白いコッキングインジゲーターの機構です。
写真のレバーが倒れると赤いインジゲーターが切り替わります。ハンマーが起きているとレバーがハンマーに押されてインジゲーターが切り替わる仕組みです。
折角なのでスライド一式の重量を測定します。
ハンドガンですとスライド一式の重量が200g前後が多いのですが、これは272gでかなり重いです。
目安としては東京マルイのガスブロのM4のボルトと同じくらいです。
フィールドストリップのフレーム編と実射性能確認編は次回にさせていただきます。
もし興味があれば次回もお付き合いください。
購入時の注意ですが私の調査ではJPバージョン以外はバルブノッカーのセッティングが異なるらしくHFCー134aではスムーズに作動しないようです。
自分で調整を楽しむのなら問題ないのですがその場合以外は必ずJPバージョンを購入しましょう。
多少、安くても確実にJP バージョンだとはっきりわからない場合は、よく考えてから購入した方が良いと思います。
・UMAREX/VFC VP9 DX Specialcombo/JP version
鉄製のエキストラクター、蓄光サイトセット、スライドテイクダウンレバーが付属です。
・UMAREX/VFC VP9 STD JP version
エキストラクター、サイト、レバーはアルミ製。見た目の違いだけです。
・スペアマガジン
入荷したみたいで適正な価格になりました。在庫がある時に手に入れることをお勧めします。
・国内ガス用注入バルブ
お勧めです(必ずO-リングは純正品を使ってください)。
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